2019.05.11 00:3615.Ⅰ.2.10.3 液状化対策工法の内、過剰間隙水圧の消散を目的とする工法の特徴と適用上の留意点を述べよ①特徴;礫や人口材料によるドレーン材を地盤中に設置することにより地盤の透水性を高め、地震時の砂層内で生じる過剰間隙水圧の上昇を抑えて液状化を防止する工法である。低振動、低騒音の施工が可能であること、地盤を比較的乱しにくいため周辺への影響が小さいことから、市街地や重要構造物近傍での施工が可能である。②適用上の留意点・液状化が防止できた場合も、ある程度の大きさの残留沈下を生じることを留意する必要がある。・設計においては透水係数や体積圧縮係数などの地盤物性値を精度よく設定しなくてはいけない・ドレーンの透水性を確保することが最大のキーポイントであるため、土質に適したドレーン材を選定するとともに、連続性も重要なため確実な施工管理を行わなければならない。・締固め工...
2019.05.11 00:1115.Ⅰ.2.10.2 地盤の液状化の影響を踏まえて、耐震設計上、土質定数等を低減させる場合、低減係数(低減率)の設定に影響する項目を3つ挙げ述べよ①現地盤からの深度 深くなるほど地震の振動数が減少する事、10ⅿより深い位置にある土層で完全に液状化した事例が少ないことを考慮して、道路橋示方書ではFL、Rが同じ場合でも0m~10mと10m~20mでは低減係数DEの値を変えることとしている②動的せん断強度R 動的せん断強度とは、地盤が液状化に対抗する力のことで、N値、粒度などから算出した繰り返し三軸強度比RLと地震動特性による補正係数CwよりR=Cw×RLで算出する。FL値が同じだけあってもRが大きければ、小さい場合と比べて地盤反力の低下の程度は低くなる。道路橋示方書ではR≦0.3と0.3<Rで低減係数DEの値を変えることにしている。③影響下に対する抵抗率FL FLは地層が有する動的せん断強度比Rと地...
2019.05.11 00:1015.Ⅰ.2.10.1 次の語句を説明せよ①土の相対密度②サイクリックモビリティ③SHAKEーーーーーーーーーーーーーーーーーー①土の相対密度 砂の締まり具合を最大間隙比と最小間隙比を基準としてあらわした指標で次式であらわされる。 Dr=(emax-e)/(emax-emin)Dr;相対密度e;試料の間隙比emax;最大間隙比emin;最小間隙比 相対密度は、密度指数とも呼ばれN値や地震時の液状化抵抗などと関係があり、砂の力学特性を知るための重要な指数である。相対密度が大きい地盤ほど液状化強度は増大し、液状化しにくい②サイクリックモビリティ 密な砂では、繰り返しせん断を受けると有効応力は周期的にゼロになるが、その後にせん断力を加えると負の過剰間隙水圧が発生して有効応力は増加し、有限の小さなひず...
2019.05.10 23:5515.Ⅰ.2.9.3 杭先端深さと杭工法を決定するために必要な地盤調査、試験内容を説明せよ①上部軟弱砂質土層に対する試験液状化のために標準貫入試験、粒度試験及び土粒子の密度試験を実施する。また、水平抵抗力の検討のために孔内水平載荷試験を実施する。②上部軟弱粘性土に対する試験圧密状態の検討のために圧密試験を実施する。また、周辺摩擦力とヒービングの検討の為一軸圧縮試験、三軸圧縮試験を実施するとともに、水平抵抗力検討のために孔内水平載荷試験を実施する。③中間砂質土に対する試験地下水の状態を確認するため地下水位測定を実施する④下部粘性土に対する試験圧密状態の検討の為に圧密試験を実施する。また、周面摩擦力及び支持力検討検討のために一軸圧縮試験、三軸圧縮圧縮試験を実施する⑤砂礫層に対する試験地下水の状態を確認するために地下水測定を実施する。また礫径を実...
2019.05.10 23:3815.Ⅰ.2.9.2 先に挙げた各々の計画案において杭工法を選定する際(市街地周辺部)の留意点を説明せよ①不完全支持杭、完全支持杭、摩擦杭共通の留意点 施工箇所が市街地周辺部であるため、振動、騒音の問題から打ち込み杭は除外する。中堀工法や場所打ち杭工法はとする場合は、上部軟弱砂質土の杭先端におけるボイリングに留意が必要である。地山の崩壊性が高い場合と判断される場合は、無排土掘削中堀工法やオールケーシング工法など、地山の安定に配慮した施工法を選定する必要がある。②不完全支持杭の場合の留意点 杭先端支持層である砂質土層の地下水の状態を考慮し、支持層への杭貫入の施工性から適切な杭工法を選定する必要がある。③完全支持杭の場合の留意点 60ⅿ程度の長尺杭となり、中堀り圧入工法やリバース工法など長尺杭として適用性の高い杭工法の中から適切な工法を選定する。また、砂礫層...
2019.05.10 23:2615.Ⅰ.2.9.1 ‐10ⅿ砂N5、‐29ⅿ粘土N2、‐32ⅿ砂N30、‐58m粘土N5、支持層。杭先端深さ案3案を挙げ、設計上の検討内容を説明せよ①不完全支持杭 本案は杭先端を‐30ⅿ付近の砂質土中間支持層に支持させる案である。この不安全支持杭の場合の検討内容としては、・中間支持層の支持力・中間支持層下部粘性土層の支持力・圧密沈下・中間支持層上部のネガティブフリクション・水平支持力・上部軟弱砂質土の液状化②完全支持杭本案は、杭先端を‐60ⅿ付近の砂礫層に設置させる案である。この完全支持杭の場合の検討内容としては、・先端支持による鉛直支持力・上部軟弱層のネガティブフリクション・水平支持力・下部粘土層のネガティブフリクション・上部砂質土の液状化③摩擦杭本案は杭先端を‐30ⅿ以深の粘性土層に設置させる案である。検討内容は・杭周辺摩擦力による鉛直支持力・上部粘性土の圧密沈下、ネガティブフリクション・水平...
2019.05.06 20:2315.Ⅰ.2.8.2 詳細設計、施工計画を行うに当たり必要な、調査項目及び試験項目を挙げて説明せよ把握すべき項目は①杭の鉛直支持特性②杭の水平支持特性③地盤の液状化特性④粘性土地盤の圧密特性 が挙げられる。 杭の鉛直支持特性については、今回は値入が支持層であり、杭先端支持力及び鉛直方向のばね定数はN値から推測が可能であるが、支持層がどの深さまで存在するのか確認する必要がある。周面摩擦についてもN値から推測可能であるが、粘性土地盤に対しては一軸圧縮試験による一軸圧縮強度から得られる粘着力Cを用いる。 杭の水平支持特性については、弾性領域においては水平方向地盤反力係数、塑性領域に関しては受働土圧の評価が必要になる。砂質土層に対しては水平方向地盤反力及び内部摩擦角ともにN値からの推測が可能であるが、粘性土ではN値との相関関係があまりよくないため、一軸圧縮...
2019.05.06 19:5115.Ⅰ.2.8.1 水位2ⅿ、粘性土‐7ⅿN2、砂質土‐12ⅿN5、粘性土‐32ⅿN3、支持層。潮位の影響を受ける橋脚施工を4年で施工、小型船舶往来有。考えられる基礎形式2つ選定理由と施工上の留意点①杭基礎②鋼管矢板井筒基礎当橋脚は河川内に建設される自動車専用道路橋で、4年で橋脚施工をすることから、基礎の沈下量を極力抑えることとし、基礎の支持層は、‐32ⅿ以深の支持層とする。基礎形式としては鋼管矢板井筒、ケーソン及び地中連続壁のような剛体基礎が考えられる。 これら3つの剛体基礎の内、ケーソンと地中連続壁基礎の場合には、陸上築島が必要になり、基礎本体の構築以外の工期が必要となる。また、築島自体が小型船舶の航路障害となる。杭基礎あるいは鋼管矢板基礎の場合には、杭打設時の足場として桟橋が必要となる可能性があるが、河川両側から基礎位置までの桟橋を設けることで基礎間には航路の確保が可能であることから、今回の場合には杭基礎あるいは鋼管矢板基礎が適当といえる。...
2019.05.06 12:5715.Ⅰ.2.6.4 施工管理上の留意点についてのべよ①地下水位管理 周辺地盤の沈下管理を行うための土留め壁背面の地下水位観測及び掘削側の排水量を確認し、水みちの拡大がないことを確認する。②土圧・水圧の測定土留め壁の設計荷重の妥当性確認、及び土留め壁に想定以上のが重が作用していないことを確認する。③土留め壁の変形及び切梁軸力の測定土留め壁の安全性及び周辺地盤への影響を確認する。情報化施工により、合理化を図る④地表面及び周辺構造物の変状測定通常、掘削深度の2倍程度の平面範囲を掘削による影響範囲と考えることから、敷地境界付近に点在する家屋については工事の影響が及ぶと考えられる。家屋の事前調査を実施し、工事着手後は定期的な変状観測を行う。また、地表面の変状測定についても定期的に実施する。
2019.05.06 12:4915.Ⅰ.2.6.3 先に挙げた調査結果から、地下水処理を中心とした山留計画の留意点と対策を述べよ①地下水位低下による周辺地盤の沈下対策土留め壁背面の地下水位が低下した場合、シルト層の圧密沈下が懸念される。対策としては遮水性の高い土留め工法を採用するとともに、不透水層である固結シルト層まで土留め壁を根入れさせる。固結シルトはGL-45m以深なので、大深度でも精度良く施工可能な工法の採用が重要である。②盤ぶくれ対策GL-23m以深の砂層は、被圧地下水の帯水層であることが考えられる。土留め壁を固結シルト層まで根入れしない場合には、上部の砂・シルト層が盤ぶくれになり崩壊する可能性があるため、地盤改良などによる対策が必要である。揚水工法による対策は、上述した通り周辺地盤での沈下が懸念される為採用は難しい。
2019.05.06 10:4815.Ⅰ.2.6.2 当該地盤で山留を計画する際、不足している情報とその利用目的を挙げ、計画に必要な追加調査項目を挙げよ①調査に関する不足情報・敷地全体の土層構成;設計土層断面の設定。固結シルト層の平面的な分布深度及び層厚を確認し、土留め壁の根入れ深度を決定⇒追加ボーリング調査・間隙水圧;掘削底面の安定性検討に利用⇒間隙水圧測定・透水係数;掘削底面の安定性検討・揚水工法の検討に利用⇒透水試験・粘性土地盤の圧密特性;周辺地盤への影響検討に利用⇒圧密試験・変形係数;土留め壁の設計に利用⇒孔内載荷試験・粘着力及び内部摩擦角;土留め壁の設計に利用⇒1軸3軸圧縮試験・湿潤密度・粒度;土留め壁の設計、掘削底面の安定性検討に利用⇒物理試験②施工条件の調査・工事用地の状況;施工機械配置や空頭制限の確認、工法の選定⇒資料調査、現地調査・地下埋設物の情報;支承物の把握⇒資料調査、現地調査、...
2019.05.06 10:4815.Ⅰ.2.6.1 GL-4m表土N4、‐8ⅿシルトN2、‐20ⅿ砂N15、‐23ⅿ砂シルト、‐45ⅿ細砂N30、固結シルト。15ⅿ掘削の土留め3種類の特徴を述べよ①鋼矢板U型やハット型などの鋼矢板を継ぎ手部をかみ合わせながら連続して地中に打ち込み、圧入した土留壁である。洒水性を有する土留め壁の中で最も安価であるが、適用可能な掘削深度は15ⅿ程度である。また、砂礫などの硬い地盤では補助工法がないと施工が困難である。②柱列式ソイルセメント壁工法SMW セメント溶液を原位置土と攪拌・混合した掘削孔にH型鋼等を挿入して、柱列状に施工したものである。遮水性がよく断面性能も比較的大きいことから周辺地盤への影響を比較的小さく抑えることができる。地盤種別によってソイルモルタルの強度低下や遮水性が悪くなったり、施工深度が深くなると精度に問題が生じる場合があるので注意が必要である。③地下連続壁 ベントナイト溶液などの地盤安定作用を...