2019.03.21 14:2520.Ⅰ.10.3 地下水の汲み上げによる沈下。上部砂層の場合、下部砂層の場合の圧密沈下発生のメカニズム①上部砂層び地下水を汲み上げるケース;飽和していた砂層の上部が地下水の低下に伴って不飽和になり、単位体積重量が飽和重量から湿潤重量に変化する。その分だけ地盤の全応力が少し減少する。粘土の密度は変わらないので、有効応力に変化がない為粘土層内は全応力が減少した分だけ過剰間隙水圧が生じ圧密が始まる。②下部砂層の地下水を汲み上げるケース;下部砂層の地下水低下に伴って、粘土層に接する部分の間隙水圧が地下水低下分だけ減少する。粘土層内の間隙水圧が砂層内に比べて相対的に高まり、その分だけ過剰間隙水圧とした圧密が始まる。
2019.03.21 13:0920.Ⅰ.10.2 正規圧密沈下推定式3種類①S= (e o-e1) / (1-e o) ×H ②S=C c / (1+e o) ×H×log(P₀+ΔP)/P③S= m v・ΔP・H S:圧密沈下量 (m) H:圧密対象層厚 (m) e o:初期間隙比 e ₁:荷重載荷後の間隙比C c:圧縮指数 P₀:初期有効応力 (kN/m2) ΔP:地中増加応力 (kN/m2) m v:体積圧縮係数 (m2/kN) ここに、 S:圧密沈下量(m) C c:設計用圧縮指数 あまり鋭敏比の大きくない正規圧密の粘土については、 液性限界WL(%)との間に以下の関係がある。 CC=0.009(WL-10) e o:初期間隙比 H:圧密層厚(m) p c:計算...
2019.03.21 12:5220.Ⅰ.10.1 JISで規定されている2つの圧密試験方法の概要と特徴を記述せよ①段階載荷による圧密試験;段階載荷による圧密試験は標準圧密試験とも呼ばれ、横方向に変形を拘束された圧密試験機に、一定の圧力pを標準の24時間載荷した後、圧力増分δPを瞬間的に加え、この載荷を繰り返すことで圧密諸定数を求める試験方法である。圧密諸定数としては一次圧密過程における圧縮量-時間曲線からC値を得る。また、どの段階でも24時間後に一次圧縮終了が確認できれば、24時間載荷に対する圧縮曲線e-logσ´またはf-logσ´から、圧密降伏応力Pcと圧縮指数Ccが、そして体積圧縮係数mvのσ´との関係が求まる。特徴として、試験時間が比較的長い事、超軟弱地盤では段階載荷による衝撃が発生することなどから、地盤の適用範囲が限定される。②定ひずみ速度載荷による圧...
2019.03.21 12:3220.Ⅰ.9.3 軟弱砂質土、粘性土層に河川と50ⅿ離れの堤防盛土を構築。大規模地震時の被害パターンを述べよ。対策工を2つ挙げ原理・確実性・施工性・経済性を説明せよ軟弱 砂質土が液状化する可能性がある。地盤の支持力が失われ、液状化層を通る大きなすべり破壊が生じる。また、川表側については河川と堤防との離隔が50mであることから、河川に向かって側方流土が発生する可能性がある。対策工①サンドコンパクションパイル工法②深層混合処理工法が挙げられる。両工法とも施工重機が大きく、川表、川裏ののり尻部において地表面付近の沖積砂質土を全層改良する①サンドコンパクションパイル工法;緩い砂質地盤内に振動を加えながら砂を圧入して、拡径された砂杭を地中に造成する工法で圧入時に砂杭周囲の緩い砂地盤が締固められて液状化抵抗が増加する効果がある。地盤を締固め強度を上げるので、細粒分が多い地盤に対しては効果が低下する。また、地表面付近では締固め...
2019.03.21 12:0920.Ⅰ.9.2 地震による堤防天端の沈下量を解析的に推定する方法を2つ、概要と特徴。①有効応力法による非線形動的FEM解析;土が液状化していく過程の応力とひずみの関係を、弾塑性構成則を用いて表現した非線形動的FEM解析により、堤防の変形を求める方法である。解析用物性値は液状化試験のシュミレーション解析によって決定するため、詳細な土質試験データが必要であり、解析に手間がかかることから経済的な方法ではない。液状化だけでなく、過剰間隙水圧の消散に伴う沈下量の算定まで可能なプログラムも実用化されている②液状化地盤の剛性低下を考慮した静的FEM解析;地震前と地震後の地盤のせん断剛性を用いたFEMによる自重解析を行い、両者の変形量の差から地震による沈下量を測定する方法である。
2019.03.17 10:1120.Ⅰ.9.1 液状化を生じやすい土質条件を挙げよ。標準貫入試験から簡易に影響状化判定する方法を説明せよ液状化条件①現地盤から20ⅿ以内の深さにあり、地下水位が現地盤面から10ⅿ以内にある飽和砂質土層②細粒分含有率Fcが35%以下の土層、または35%を超えても塑性指数Ipが15以下の土層③平均粒径D50が10㎜以下で、かつ10%粒径D10が1㎜以下である土層簡易に液状化判定する方法で、標準貫入試験のN値と粒度試験の細粒分Fcによる方法がある。野外タンク貯蔵所の基礎等に採用されている方法。N値がある値より大きければ、大きな地震を受けても地盤は液状化しないか、あるいは液状化しても緩い地盤で生じる液状化と異なって構造物への被害が小さいと考えられる。このようなN値を限界N値と呼び、この値と標準貫入試験によって得られたN値を比較して液状化の可能性を判断する。限界N...
2019.03.17 09:2520.Ⅰ.8.3 建物の不等沈下が許容値を超える。要因を複数挙げそれぞれの設計時の対処方法を述べよ①作用荷重の不均質性;各基礎への作用荷重が不均質であると沈下量にも差が生じ不等沈下の原因となる。対処方法としては荷重の不均質性を軽減する方法と荷重が不均質であっても不等沈下が生じないようにする方法がある。前者は具体的には建物上部構造を変更し、各基礎への作用荷重ののバラツキを小さくする。剛性の高いべた基礎へ変更することで地盤に伝達される荷重を等分布荷重に近づけるなどである。後者は地盤改良深度の延長や杭基礎への変更によって、沈下そのものの発生を抑止する方法である。②地盤の不均質性;地盤の層構成の傾斜などに伴い、沈下対象層厚が箇所により異なっていると沈下量にも差異が生じ不等沈下の原因となる。基礎形式を剛性の高いべた基礎とすることで、沈下の進行に伴う基礎及び上...
2019.03.17 08:5120.Ⅰ.8.2 粘性土上に直接基礎を考えた場合、地盤改良を併用し、必要な検討項目と内容を示せ①支持力の検討;基礎から地盤に伝達される荷重によって、地盤がすべり破壊をする際のすべり線は、基礎幅の2倍程度の深さに及ぶことから、地盤改良を実施予定の上部粘性土層の下層に位置する細砂層を主に対象として支持力の検討を行う必要がある。検討においては地盤改良部における応力分散を考慮し、細砂層における作用荷重と支持力との比較を行って、安全性の確認を行う。②沈下検討;沈下に関しては細砂層の即時沈下とシルト層の圧密沈下の検討を行う必要がある。即時沈下は地盤の弾性変形に起因する沈下であるため瞬時に終了するが、圧密沈下は荷重増加に伴って発生する過剰間隙水圧が、地盤の透水性が低い為にゆっくりと時間をかけて消散することによって発生するため、沈下が終了するのは建物が完成した...
2019.03.17 08:1120.Ⅰ.8.1 Terzaghi支持力算定式の前提条件及び各項の内容を説明せよ。また、偏心・傾斜荷重が作用する場合、その影響を考慮する方法を述べよq=CNc+1/2γ₁BNγ+γ₂ⅮNq支持力公式は、平坦地盤上の無限長の帯基礎を前提としており、荷重の偏心・傾斜もないものとしている。第一項は地盤の粘着力に起因する支持力第二項は地盤の自重に起因する支持力(γ;単位体積重量、B;基礎幅)第三項は値入による押さえ効果に起因する支持力(γ;値入地盤の単位体積重量、D値入深さ)実際にはγ1=0として求められた支持力CNc+γ₂ⅮNqとc=0、γD=0として1/2γ₁BNγを重ね合わせて得られた近似式になっている。 荷重の偏心の荷重を考慮する場合には、第2項の基礎幅Bの代わりに、有効基礎幅Beを用いて支持力を算定する。偏心量eとすると、Be=B-2eとなる 荷重の傾斜を考慮する場合には、荷重の傾斜...
2019.03.17 07:2320.Ⅰ.7.3 先ほど挙げた対策工について、対策範囲と設計上の留意点①深層混改合改良の場合、軟弱層を改良し支持力を確保する。改良体は土圧などの荷重を載荷した外的安定計算と改良体内の応力を照査する必要がある内的安定検討の2通りのチェックを実施し形状を決定する。留意点としては、杭状改良、格子状改良の場合には地盤と改良体の挙動に不明確な点があり、慎重な配慮が必要である②SCP工法の場合、防波堤の設置圧を作用させた円弧すべり法で照査し、SCPの必要改良範囲を決定する。改良強度が深層混合改良に比べ低い為、改良範囲は大きめになる。設計上の留意点としては、パイル施工直後は現地盤が乱れ強度が低下するため、早い時期に荷重を載荷させる場合は強度設定に慎重な配慮が必要っである。
2019.03.17 07:1120.Ⅰ.7.2 地盤対策をしないで軟弱地盤上に重力式堤防を設置。想定される地盤の破壊、変形挙動を説明せよ。またこの場合に採用できる地盤対策工法2つ原理と特徴を説明せよ①支持地盤のすべり破壊;重力式堤防の鉛直荷重により、支持地盤が円弧滑りを起こし、防波堤に沈下を生じるとともに周辺地盤は押し上げられるような破壊を示す。②支持地盤の沈下;円弧滑りまでは発生しないが、城西荷重の増加により軟弱地盤粘性土が圧密沈下が生じ防波堤が支持地盤から大きく沈下する地盤対策工法としては、軟弱粘土層を対象にセメント系の材料で固化し強度を増加させる方法(深層混合処理方法)や、砂杭を一定間隔で打設し砂杭自身のせん断強度と周辺地盤の地盤強度向上を図る方法(サンドコンパクションパイル工法;SCP工法)が考えられる