2019.04.30 01:5525.Ⅲ.2.2 盤構造物の先に述べた留意点を踏まえ、財政的な制約の中で社会資本としての地盤構造物の維持管理の在り方を提案せよ前項で挙げた留意点を踏まえ、現在の厳しい財政状況を考慮した地盤構造物の在り方を以下に述べる。①施設の機能を発揮させる維持管理各地盤構造物施設の特質と状況を理解した維持管理更新が必要である。例えば軟弱地盤上の盛土であれば現在の圧密沈下状況の把握や沈下抑制工の効果確認をしたうえで、今後維持管理の方法を決定する。上記の手法により、維持管理の特性、役割が明確になり主目的に沿った維持管理ができ、結果的には長期コストの低減につながる。②安全、安心を確保する維持管理高まる安全、安心を考慮して、修繕時に防災・耐震性能の向上を図る維持管理が必要である。例えば構造物の耐震化や液状化対策を施した維持管理を行い施設の長寿命化を目指す。上記手法では短期コストは増大するが、維持管...
2019.04.30 01:5525.Ⅲ.2 鋼・コンクリート構造物と比較し、地盤構造物の機能低下及び維持管理の留意点を述べよ我が国の社会資本施設は、建設後30年~50年が経過しており、今後一斉に更新時期を迎える。この現状を踏まえ、地盤構造物の機能低下の特徴及び維持管理の留意点を以下に述べる。①機能低下の評価が困難地盤構造物は施設全体が目視できない場合が多いため、機能に対する評価が難しい。例えば構造物基礎工では多くが地中に打設されていて目視できない。これを貯砂するためには大きなコストがかかる②地盤条件変化の影響が大きい地盤構造物は、刻々と変化する地盤条件や周辺環境の変化に機能低下が大きく影響される。したがって地盤構造物の機能もこれに対応した評価を下す必要がある。例えば軟弱地盤上の盛土であれば、対象地の地下水低下が生じれば盛土荷重による圧密沈下が大きくなり、段差などが生じて機能...
2019.04.29 23:5125.Ⅲ.1.2 地盤構造物の地震対策の課題解決について、地盤工学、社会制度の両面から提案せよ地球温暖化による気候変動により、集中豪雨の発生や河川水位の上昇など、建設当時の設計条件が変化している構造物が増加している可能性がある。また、近年の大規模地震の発生の教訓を踏まえ、地盤の液状化や設計深度の見直しなどに対応できていない古い時代、古い設計手法の切土、盛土、擁壁等が現在の技術から見ると安全性が不十分な構造物が多く存在する。このような課題に対して地盤工学の面から解決策を述べる。 地盤工学の面;地盤構造物は膨大な量のストックがある。これらすべてを調査していくことは、膨大な量のストックがある。これらすべてを調査していくことは、多大な費用と時間が必要となる。大規模地震の発生が近い将来に迫っているので合理的速やかに調査する必要がある。例えば、現在、技術の...
2019.04.29 23:4125.Ⅲ.1 地盤構造物に共通する特性を挙げ、地震対策を実施するに当たっての課題を述べよ。①特性地盤構造物である切土、盛土は材料が土であることから建設費用が安価、材料の入手が容易であることから膨大な延長を有して建設されたことである。敷地の制約などで法面を有する盛り土ができない場合には擁壁が採用され、これも同様に膨大な個所数である。橋梁の下部工の設計や建設は、盛土などと比べて容易に施工できないが、日本経済を支える道路整備に伴って非常に多く建設されている。もう一つの特性として、建設当時の設計条件が変化する可能性を有することである。地球温暖化現象による海面上昇や大雨の頻繁な発生による地下水位の上昇や経年劣化による地盤強度の低下などが挙げられる。②地震対策を実施するに当たっての課題・設計条件の変化・少子高齢化社会の進展による人口減少・建設分野を志す...
2019.04.29 11:4325.Ⅱ.2.2 先に挙げた段階で留意すべき事項①緊急措置時;人命の安全を最優先とし、住民の安全確保はもとより、作業時に二次災害防止に最善を期す。現場の調査項目としては、地すべりの規模、交通への影響度、人家の分布状態、避難経路の確認が挙げられる。緊急措置の方針が決定したら、速やかに関係機関や関係者に周知徹底する。②応急復旧時;調査ボーリングで地形踏査を行うとともに、地表面伸縮形や孔内傾斜計等による動態観測を行って、地すべりの規模、地すべりの方向、地下水の分布などを調査する。これらをもとに応急復旧に供するデータを収集して効果的な対策工を検討、実施する。③本復旧時;調査データを元に更に詳細な分析や土質試験を行って恒久対策に要する安定計算を行う。安定計算においては、すべり面と地すべりブロックを特定し、幹線...
2019.04.29 10:4725.Ⅱ.2.2 集中豪雨で切土法面に変状。災害発生から本復旧までの各段階において、実施すべき事項と目的①緊急措置時;法面及び道路の変状形態と変状規模を把握して交通への影響を確認するとともに、人家および人命の保全に万全を期す。必要に応じて交通規制や避難勧告、立ち入り禁止措置を講じる②応急復旧時;大規模地すべり対策として押さえ盛土や水抜きボーリングを応急的に実施して、安全率の向上を図る。また、交通に影響がある場合は、路面不陸の擦り付けを行うとともに、必要に応じて大型車両の規制や片側交互通行の措置を講じる。さらにライフラインへの影響が認められた場合は、それらの保全や復旧作業を合わせて実施する。③本復旧時;地すべり形態や調査ボーリングなどのデータを元に復旧に向けて恒久対策を実施する。拝土工や横ボーリングあるいは法面保護工等の抑制工とグランドアンカー工や抑止杭工...
2019.04.29 10:2825.Ⅱ.2.1.3 検討の結果軟弱地盤対策が必要なことが判明。工期的余裕がないものとして対策工を選定し概要と選定理由を説明せよ対策工法は、軽量盛土工法、サンドコンパクションパイル工法、固結工法があるが、固結工法(深層混合処理工法)が適切と考える。深層混合処理工法は、原位置の軟弱工にセメント添加材を攪拌混合し、地盤の安定性を増大させる工法である。本工法は一般的に短工期、低振動で施工可能であり、敷地条件や工期条件に適合する。また施工コストも他工法に比べ安価である。留意点としては施工機械に対するトラフィカビリティの確保と添加材の適性配合量の評価である。特に腐植土などでは多量の添加材が必要となる場合がある。なお、上記の留意点から深層混合処理工法が不適となる場合にはコストは増加するが、施工性がよく短工期が可能な軽量盛土工の採用も検討する。
2019.04.29 09:5825.Ⅱ.2.1.2 軟弱粘性土上に7ⅿの盛土土留擁壁の下に15ⅿの基礎杭。盛土の施工が擁壁に及ぼす影響、評価方法①盛土荷重に伴う偏土圧による側方流動側方流動を評価する方法としては、側方流動判定式(Ⅰ値)が挙げられる。Ⅰ値は盛土高、軟弱地盤の厚さ、軟弱層のせん断強度から求められる。Ⅰ≧4の場合、側方移動の可能性が高く対策が必要と判断される。Ⅰ=μ1×μ2×μ3×γ×h/Cμ1;軟弱層厚に関する補正係数μ2;基礎の抵抗幅に関する補正係数μ3;橋台の長さに関する補正係数Ⅰ≧1.2以上で側方移動の恐れがある②圧密沈下によるネガティブフリクションネガティブフリクションの検討にあたっては一軸・三軸圧縮強度試験UU試験による粘着力C、圧密係数(e-logP曲線,Cc,mv,cv)を求めておく
2019.04.29 09:5725.Ⅱ.2.1 軟弱粘性土上に7ⅿの盛土土留擁壁の下に15ⅿの基礎杭。常時の作用に対する盛り土の安定照査項目、留意事項①盛土荷重による地盤の安定性の照査軟弱地盤強度によっては盛土荷重による円弧すべり破壊を生じる可能性があるため、安定解析による照査が必要である。安定解析には粘着力や単位体積重量等の設計定数が必要であり、これらの地盤定数評価が正確に把握されないと、安定解析結果に大きな影響が出てしまうため留意が必要である。②盛土荷重による圧密沈下の照査軟弱地盤の圧密特性によっては、盛土荷重による大きな圧密沈下を生じる可能性があるため、圧密沈下に対する照査が必要である。圧密沈下の解析には、対象地の沈下は当然ながら近隣地や近接建物に対する引き込み沈下に対しても照査する必要がある。また、圧密試験は試験日数がかかるため、工期についても留意が必要である。
2019.04.29 04:3825.Ⅱ.1.4 山留工事の掘削時に留意すべき地盤変状を3つ挙げ、それぞれの地盤変状の内容と起こりやすい条件を説明せよ①ボイリング掘削底が砂質土で、掘削底と背面部の水位差を大きくすると、掘削底が沸き立つ、噴砂状となり山留めが崩壊する。基礎底と背面部が飽和した砂質土の場合発生しやすくなる。設計時に山留め下端からの上向きの揚力と基礎底の自重のつり合いにより評価する。Fs=w/U②ヒービング掘削底が粘性土で、掘削底と背面部の荷重差を大きくすると、背面部の軟弱粘性土が基礎底に側方移動して山留が破壊する。基礎底と背面部が難約粘性土の場合に発生しやすくなる。設計時にペックの安定定数以下になるか確認する。Nb=γt×H/cNb≦3.14③盤ぶくれ掘削底が粘性土で、その下位に被圧地下水が存在する場合に発生しやすくなる。掘削に伴い、基礎底が自重に比べ被圧地下水が大きくなると基礎底が膨れ...
2019.04.29 04:3625.Ⅱ.1.3 標準貫入試験のN値から推定される地盤定数を3つ挙げ、それぞれの推定方法と留意点について説明せよN値から推定される地盤定数は①粘着力C②内部摩擦角φ③変形係数Eがある①粘着力CN値から粘着力はC=qu/2、 qu=12.5Nで算定される。一軸圧縮強度qu=12.5Nはテルツァーギペック式より算定し、非排水三軸圧縮強度は内部摩擦角が0の粘土はquの1/2とされる(モール応力円)。以上よりc=6.25NでN値から粘着力を算定する。留意点はN値が4以下となる場合は、設計上過小値となるので、室内試験の実施が望ましい②内部摩擦角φN値と相対密度の関係からφを算定している。1) φ = √(20+N)+15°大崎の式2) φ = √(15+N)+15°旧道路橋示方書 が用いられている。1)は主に建築による支持力算定式に用い...
2019.04.29 03:3425.Ⅱ.1.2 Terzagi(テルツァーギ)の支持力公式における3つの支持力係数について説明せよ。また直接基礎の支持力を算定する際に考慮すべきことについて説明せよ。テルツァーギの支持力公式に用いられる支持力係数はNc、Nγ、Nqである。テルツァーギは直接基礎の極限支持力を求めるために基礎の直下に二等辺三角形の土くさびができ、その側面に受働領域が発生すると考えた。基礎に根入れがある場合は土被り厚Dを考慮できる。各種の基準類は横軸に内部摩擦角φをとり、縦軸の支持力係数の値を取った、グラフ化したものが示されている。Nc;受働領域の粘着力にかける係数であるNγ;土くさびの側面の受働土圧を求めるときの係数でγ/2×Bを掛け合わせる。γは地盤の有効流量でBは基礎の幅である。Nq;基礎底面より上の有効上載圧による受働抵抗を求める係数である。値入の場合に荷はγDを掛け合わせる。γは土の有効単位体積重量で、Dは値入深さである。&l...