2019.03.24 13:5819.Ⅰ.10.3 既設高架橋RC造橋脚躯体及びPHC杭の鉛直及び水平支持力が補強する必要がありと判断。補強方法の概要と設計における考え方を述べよ。また設計・施工上の留意点も述べよ。基礎の鉛直及び水平支持力が不足する場合は、既設杭基礎に新たな構造部材を付加し、基礎の耐力を増加させる方法と、基礎周辺の地盤強度を増加させることにより、基礎の耐力を増加させる方法がある。今回の事例については、補強効果、経済性、工期の面で有利な増し杭工法を選定する。増し杭工法は、既成杭の周囲に新たな杭を増設して補強する方法で、施工実績も比較的多い。増し杭と既設フーチングとの結合は、既設フーチングを拡大することによって行われる。設計では既設部の常時の鉛直支持力は既製杭が負担し、地震時の水平力及び鉛直力は、既成杭と増設杭が共同で負担するといった考え方が用いられることがある。設計・施工上の留意点は以下のとおりである・増設杭と既設杭との鉛直方向の荷重負担が施工条件...
2019.03.24 13:3919.Ⅰ.10.2 躯体及び基礎の詳細な検討を行うに当たって、必要と考えられる調査項目・試験項目を挙げ、内容を説明せよ。・躯体調査(内容;配置鉄筋、コンクリート仕様);躯体の鉄筋量、コンクリート強度などの調査・地盤調査(内容;ボーリング試験);土層条件など地盤条件の確認・物理試験(内容;粒度試験、液性・塑性限界試験);土質特性、液性化判定に用いる物性の把握・動的強度試験(内容;繰り返し非排水三軸試験);液状化判定に用いる液状化強度比の把握・強度試験(内容;一軸圧縮試験、三軸圧縮試験);基礎の水平、鉛直支持力の把握・動的変形試験(内容;繰り返し中空ねじりせん断試験);地盤のひずみ特性の把握・物理検層(内容;PS検層);地盤の動的特性の把握・設計条件調査;荷重条件、支承条件の把握
2019.03.24 13:2819.Ⅰ.10.1 躯体及び基礎のレベル2地震動に対する評価をするために必要な基本的項目を挙げ概要を述べよ。レベル2耐震設計は、道路橋示方書では重要度に応じて耐震設計を設定しており、重要度が標準の場合、耐震性能Ⅲ(致命的な被害を防止する)、特に重要度が高い場合は、耐震性能Ⅱ(限定された損害にとどめ機能回復が速やかにできる)と規定している。照査方法は、レベル2相当の地震動を、標準的な加速度応答スペクトルないし時刻歴地震波形として提示しており、地震時挙動が複雑でない通常の構造系に対して、静的耐震設計法である地震時保有水平耐力法が用いられる。必要な基本項目は以下のとおりである①橋脚の耐震性能照査;構造物重量に設計水平深度を乗じた慣性力が、橋脚の地震時保有水平耐力より小さいことを確認する。また、耐震性能Ⅱの場合、残留変位を確認する。なお、地震時保有水平耐力を算出する...
2019.03.24 13:0719.Ⅰ.9.3 1期線工事で先ほど挙げた安全対策工を実施。2期線工事を計画する際、条件に適合する基礎形式と施工方法を3種類あげ比較検討し最適案を選定せよ①杭基礎基礎形式としては最も一般的であり、信頼性が高い。1期線施工時に沖積砂質土を緩めている可能性もあり、十分な支持力を確保するため、1期線で鋼矢板を打設した深度以下まで根入れする。1期線と近接しているため、中堀杭が適している。②高圧噴射攪拌工法1期線で緩めた可能性のある沖積砂質土層と洪積砂質土上部をすべて高圧噴射攪拌工法により地盤改良し、地耐力を向上させたのち、直接基礎方式基礎を構築する。機械式攪拌工法のほうが経済的だが、対象地盤のN値が大きく適用できない。③ケーソン基礎工法1期線ではボイリングによって支持地盤を緩めた可能性があるため、水位差を生じないニューマチックケーソン工法により基礎を構築する。基礎底面を目視によって確認できるため、支持地盤の確認...
2019.03.24 10:4519.Ⅰ.9.2 上部工架設に先立ち、支持地盤の乱れと橋脚自体の沈下傾斜が判明。変形後の基礎の安定性を高める対策案3つ。概要・特徴と適用性・経済性・信頼性・施工性を示せ①薬注入工法[対策案の概要]基礎底面及びその周辺へ恒久性の高いセメント系の薬液を注入し、支持地盤の支持力を向上させる[特徴と適用性]地盤へ注入するときに原地盤を膨張させ、基礎を持ち上げるなど変状を起こす可能性がある[経済性]比較的安価である[信頼性]砂質地盤への適用が多いが、恒久対策としての信用にかける[施工性]橋脚底面への施工が難しい。近年曲がりボーリングなどの技術が開発され、施工性が改善されている②高圧噴射攪拌工法による地盤改良工法[対策案の概要]基礎底面及びその周辺に高圧噴射攪拌によって地盤改良体を造成し、基礎地盤の支持力を上げる[特徴と適用性]高圧噴射によって、大きな径φ2mから5m程度の改良体を造成することが可能。砂質地盤への適用性は高い。[...
2019.03.24 10:2619.Ⅰ.9.1 高架橋基礎(直接基礎)を土留で水位が高くN値35程度の砂質層に計画。支持地盤の支持力低下を招く可能性がある施工中の現象について工程順に説明せよ①鋼矢板打ち込み;基礎地盤のN値が高いため、止水目的として打設する鋼矢板の打ち込み時にウォータージェットを併用する。その際支持地盤を乱すため支持力低下を招く可能性がある。②基礎構築のための掘削及び地下水位低下;基礎を構築するために、仮締切内の地下水位を低下させ掘削する。その時周辺地盤との水位差が生じ、さらに掘削する有効土圧の減少によって根入れ長が短い場合にボイリングが発生すると、矢板の転倒などによって支持地盤が大きく乱される。また、調査孔の跡があると、そこからパイピングが発生し、支持地盤を乱す原因となる。③鋼矢板引き抜き;基礎構築終了後に鋼矢板を引き抜くため、矢板位置に空隙が生じる。この空隙を適切に処理しておかないと、空隙を埋めるために支持地盤周辺が緩...
2019.03.24 10:1019.Ⅰ.8.3 併用基礎構造を設計する際の留意点と対処方法[設計時の留意点]高層棟と低層棟とで支持杭の径が異なるため、基礎部分の剛性が異なる。その結果、建物自体に対しては杭の弾性変形量が異なり、高層棟と低層棟との間に不等沈下が発生する。また地震時には水平力が剛性の高い杭に集中する可能性がある。[対処方法]変形量に大きな差異が生じないように配慮して杭配置を決定する。また、建設部分と基礎部分を一体化したモデルで解析を行い、基礎部分の剛性の差異を考慮したうえで、建物の境界部の部材及び基礎が安全であるような設計を行う。
2019.03.24 10:0419.Ⅰ.8.2 併用基礎構造の適用性の確認、及び設計に必要な地盤調査・土質試験と利用方法を述べよ。[地盤調査・土質試験の項目]①施設予定四隅でのボーリング調査及び標準貫入試験②地下水位試験③軟弱粘性土層に対する圧密試験④軟弱粘土層に対する一軸圧縮試験⑤軟弱粘性土、軟弱砂質土層に対する物理試験[結果の利用方法]①施設計画内地内の土層分布の把握に利用する。また、支持層の分布状況から杭長を設定する。標準貫入試験によるN値は杭の打設方法の選定に利用する②地下水位は液状化判定及び構造物に作用する浮力の算定に利用する。③圧密試験は粘性土層の圧密状態を把握するために行う。未圧密の場合には、支持杭にネガティブフリクションを考慮する。④粘性土層の粘着力を求めるために行う。粘着力の値次第では低層棟の杭を摩擦杭にすることも可能になるため、併用基礎構造の適用性検討に利用す...
2019.03.24 08:3019.Ⅰ.8.1 併用基礎が適切と思われる地盤・建築条件を挙げよ。低層階と高層階からなる建物基礎に併用基礎の形態を3つ選びその中で1つ適切と思われる基礎方式を述べよ。[地盤条件]支持地盤が急傾斜している[建築条件]平面的に建物の高さが大きく異なる。部分的に地下室があり、基礎底面の高さが異なる[併用基礎の形態]①高層棟、低層棟共に支持層をN値50以上の杭基礎とし、適用する杭は高層棟部が大口径場所打ち杭。低層棟は径の小さい既製杭とする併用基礎②高層棟はN値50の砂質土層を支持層とする杭基礎。低層棟は粘性土層で打ちとめる摩擦杭とする併用基礎③高層棟はN値50の支持層まで打ち込む杭基礎。低層棟は砂質土層を支持層とする直接基礎の併用このうち採用は①の杭基礎が合理的である。理由は高層棟は建物荷重がかなり大きく大きな支持力が必要であり、また圧密沈下を避ける必要がある。よって高層棟についてはN値50の砂質土層を支持層とする杭基礎と...
2019.03.24 04:5919.Ⅰ.7.3 直接基礎の建物の不等沈下量を抑制させたい場合、方法や設計上の配慮を3種類挙げよ支持層までの深度が浅い場合は杭基礎で不等沈下を抑えることが一般的であるが、支持層が深い場合は直接基礎が合理的となる。直積基礎で不等沈下を抑える方法として以下に述べる。①プレロード+圧密沈下促進;建設する建物の荷重以上の荷重を建物建設までに作用させ、圧密沈下を終了させる方法である。その際、圧密促進工法(サンドコンパクション等)を併用することで、圧密終了までの時間を短縮させることができる。しかし、大きなプレロード荷重は地盤を破壊させることがあるため、留意が必要である。②基礎構造を高い剛性のスラブにする;沈下による変形角は、沈下量のみならず基礎の剛性に左右される。基礎剛性を上げることで変形角を抑制することができる。しかし、基礎剛性を上げると、基礎重量が大きく...
2019.03.24 04:4919.Ⅰ.7.2 建物の沈下量において、一様沈下量、変形角、傾斜角が各限界値を超えた場合に発生する障害の特徴圧密沈下は、粘性土の圧密降伏応力を初期有効上載圧と建物荷重による上載圧の和が上回った時に発生する。粘土層の上部は有効上載圧と圧密降伏応力がほぼ同じく、建物荷重によって圧密降伏応力を超えることから、圧密沈下の検討が必要になる。建物の一様沈下量が限界を超えた場合は、建物周囲とガス管などのライフラインに沈下差が生じることにより障害が生じることがある。傾斜角が限界値を超えると、建物内の設備機器や設置機械に障害が生じると考えられる。一様沈下量や傾斜角は建物の構造体にさほど影響を与えないが、変形角は建物の構造部材に応力を発生させる。したがって、部材応力がそれぞれの限界状態に対する許容値を上まらないことを確認する必要がある。
2019.03.24 04:3719.Ⅰ.7.2 建物の直接基礎の鉛直支持力圧密沈下量を検討する場合の基本的な考え方直接基礎の鉛直支持力は、各限界状態に対応する要求性能を満たす必要がある。終局限界状態の荷重条件は想定する最大級の地震などであり、この時の鉛直荷重が地盤の極限支持力以下であること、損傷限界状態の荷重条件は建物の供用期間中に1回から数回遭遇する地震などであり、この時の鉛直荷重が地盤の降伏支持力以下であること、使用限界状態は常時荷重において、有害な沈下量を発生しないことが要求性能となる。