レベル2耐震設計は、道路橋示方書では重要度に応じて耐震設計を設定しており、重要度が標準の場合、耐震性能Ⅲ(致命的な被害を防止する)、特に重要度が高い場合は、耐震性能Ⅱ(限定された損害にとどめ機能回復が速やかにできる)と規定している。
照査方法は、レベル2相当の地震動を、標準的な加速度応答スペクトルないし時刻歴地震波形として提示しており、地震時挙動が複雑でない通常の構造系に対して、静的耐震設計法である地震時保有水平耐力法が用いられる。
必要な基本項目は以下のとおりである
①橋脚の耐震性能照査;構造物重量に設計水平深度を乗じた慣性力が、橋脚の地震時保有水平耐力より小さいことを確認する。また、耐震性能Ⅱの場合、残留変位を確認する。なお、地震時保有水平耐力を算出する際、ラーメン橋のように、橋脚基礎以外の部分にも主たる塑性化を考慮する場合には、橋全体系に対するプッシュオーバー解析などを行って、降伏変位と終局変位を求め許容塑性率を算定する。
②基礎の耐震性能照査;設計水平地震力が基礎の降伏耐力より小さい事、作用せん断力がせん断耐力より小さいことを確認する。なお、橋脚基礎に塑性化を考慮しない場合には、橋脚基礎には橋脚の終局水平耐力と同等以上の水平耐力を保有させるとともに、十分な変形性能の有することを確認する。また、橋脚基礎に主たる塑性化を考慮する場合には、基礎に生じる損傷が修復が修復可能な程度の範囲に収まるように、変形性能について照査する。
また、当該地盤は液状化を生じる可能性が高く、液状化に伴う土質定数の低減を考慮した耐力照査及び変位照査を行う。
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