14.Ⅰ.2.4.3 最終7m盛土を完成するための恒久対策と施工上の留意点を述べよ

<軟弱地盤対策その1(せん断変形)>

盛土支持地盤がせん断変形することは、盛土荷重に対して支持すべき地盤のせん断強度が不足するために生じることであり、付近で実施した土質試験データをもとに、所要の強度が得られるように軟弱地盤そのものの改良が必要となる。

①軟弱地盤改良工法の選定

 軟弱地盤改良としては固結工法、締固め工法等があるが、民家に近接していることから、深層混合処理工法が比較的安全に施工ができる工法として推奨できる。

②深層混合処理工法の留意点

 深層混合処理工法は機械式攪拌混合工法と高圧噴射攪拌混合工法があるが、民家への影響を考えて機械式攪拌混合工法とすべきである。施工順序としては民家側より盛土中心に向かう方に施工する。

③盛土構造等の改良

 盛土構造の形状維持と民家の保護の為、両側の盛土のり尻付近に矢板を打ち込み、頭部をタイロッドで結んだ矢板工法により盛り土が側方へ流動しないように防護することが大切である。

<軟弱地盤対策その2(圧密沈下)>

①軟弱地盤改良工法の選定

 圧密沈下に対処するためには、圧密促進工法(バーチカルドレーン工法)を使用して圧密沈下させる

②施工上の留意点

 この工法は本来単独で使用されることが少ない工法であるが、当該現場のように民家に接近して施工する場合は、矢板工法により、民家側にを十分保護した後に施工することが大切である。

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