火山灰粘性土を盛土材としたときの盛土設計に使用する場合は、他の盛り土材料と同じく盛土の基礎地盤の調査・試験と切土部の土の特性調査・試験が挙げられる
①盛り土基礎地盤の調査・試験及び留意点
盛土の安定と沈下を検討する事を目的とする調査で、調査・試験の種類は、ボーリングと標準貫入試験の他補助的にサウンディングを実施する。基礎地盤安定の検討のため、乱さない試料の採取とせん断一軸・三軸試験を行うが、特に液状化や軟弱な地盤箇所、地山湧水個所、傾斜地、地すべり地では綿密な調査を行う。
基礎地盤が軟弱な粘性土では盛土底部すべり破壊及び圧密沈下発生の恐れがあるので、乱さない試料採取のうえ、土のせん断試験と圧密試験を実施する。緩い砂地盤では、地震時の液状化検討のための各深さ毎の粒度試験を実施する
②切土部の土の特性調査・試験及び留意点盛り土材料の性状を知る目的で行うもので、土の物理特性のほかに締固め特性を求める。火山灰質粘性土の盛り土材料特性は高含水比・高鋭敏比・高圧縮性で、ほとんどは機械施工によるこね返し強度低下でトラフィカビリティが極端に低下する。
したがって、物理探査、ボーリング、ハンドオーガによる調査のほかに、代表箇所でのテストピットを掘って各深さ毎の締固め用試料採取を行い、突き固めによる締固め試験とその時の強度低下状況をコンペネトロメータ等で調査する。
また、火山灰質粘性土の種類によって盛土下部、上部、のり面への使用区別を行うのが望ましいので、それらの概算数量も調査時に把握しておく。
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