15.Ⅰ.2.4.2 GL-30ⅿシルト、以下砂層で、海面護岸をケーソン護岸、下を捨て石による置き換え基礎。下部をSCPの計画。設計に必要な地盤条件に関する詳細調査と試験内容について述べよ

ケーソン護岸の支持地盤であるので、支持力、沈下及び液状簡易たいして問題がないようにする必要がある。そこでまずこれらの項目に対して現地盤がどの程度の性能を有しており、どの程度改良する必要があるかを把握する必要がある。また、基礎地盤が上部がシルト層であるのに対し下部は中間土であるため、問題となる事項及び対策も異なることから注意が必要である。

 まず、沈下については、上部基礎地盤の圧密沈下に対する検討が必要であるので圧密試験を実施し、圧密降伏応力及び圧密特性を把握する。これらを用いた圧密沈下量の算定により有害な沈下が発生する場合にはSCPをドレーン材として圧密促進を行い、残留沈下量を抑制する。圧密の促進により、地盤の強度増加が期待できるが、SCP施工時の地盤の乱れや圧密の実際の進行は、砂杭と現地盤との間の鉛直力の分担率によること等不確定要素もあることから、強度増加は考慮しない。

 支持力についての検討は円弧すべり解析により行う。基礎地盤内を通る円弧は上下部層の両方を通るが、下部層は粘着力と内部摩擦角の両者を考慮できるの中間層であるため、内部摩擦角を得るためのせん断試験を行う。このせん断試験を用いた円弧すべり解析により、すべりが発生する場合には対策工としてSCPの設計を行う。この場合には上部と下部で粒度分布が異なることから、SCPの設計方針も区別する。

 上部は粘性土が主体の地盤であるため、改良率が小さい場合には複合地盤として扱い、砂杭の内部摩擦角と現地盤の粘着力を考慮するが、改良率が高くなると砂杭の内部摩擦角のみの評価となる。

 SCPの設計は、対象地盤を砂質土と粘性土に区分しており、今回のように細粒分を20%以上含む地盤を砂質土地盤として扱う場合には改良効果がほとんど期待できないことから、現地盤の内部摩擦角を調べ、上部のみの改良で必要な強度を確保し、下部は改良しないといった選択も考慮することが望ましい。

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