15.Ⅰ.2.3.3 スレーキングの程度を評価するための室内試験方法を説明し、試験における条件と実際の盛土が置かれる条件を考慮し適用についての意見を述べよ

①室内スレーキング試験

岩石資料に対して乾燥・湿潤状態を人為的に繰り返し与え、試料の粒度あるいは吸水量がどのように変化するか調べて、スレーキング性の程度を知る試験。粒度調整した自然含水状態の岩石資料を所定量用意し、110度で24時間炉乾燥した後、室温に下がるのを待って常温水に24時間浸す。この作業を所定回繰り返し、ふるい分け試験を実施して、細粒化した試料の重量割合をもって定義される、スレーキング率、を求めて、指標とする。

②耐スレーキング性試験

 岩石資料に乾燥・湿潤状態を繰り返し与えると、試料は脆弱化・劣質化するが、それに対する抵抗性を調べる試験。所定の資料を金網でできたドラムに入れ、炉乾燥した後、ドラムの回転軸下まで水を入れた状態で試料ごとドラムを所定の要領で回転させ、その後、炉乾燥させる。この操作を2回行って、最終乾燥重量を初期重量で除した、耐スレーキング性指数、を求めて、抵抗性の指標とする。

 実際の盛土では、表面下の岩盤内水分環境の実態と継続的な変化が明確でないため、室内試験結果と必ずしも一致しないが、スレーキング現象は脆性的に発生するため、事前の検討及び対策が重要である。スレーキングに及ぼす影響は乾燥条件が最も大きく、水浸時の岩石の飽和度がある一定以上に乾燥しなければスレーキングは発生しない。

 施工に関してはこの点を踏まえた対策を行い、空気間隙率を管理基準とした締固管理を十分実施する必要がある。また、完成後の雨水などに対する対策を実施すれば、堆積軟岩の盛り土材料への適用は十分可能である。

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