地すべりの安定解析は以下の手順で実施する。
①地すべりが生じる可能性の有無を判断する
②地すべりブロックの推定
③すべり面強度の設定
④対策工の検討
地すべりの可能性については、地形地質踏査や調査ボーリングから得られる断層や破砕帯等の弱層の有無や規模、地層面から亀裂面や亀裂面の走向及び傾斜等の情報をもとに総合的に判断される。これらの情報から地すべりの可能性ありと判断される場合には、弱層をすべり面として地すべりブロックの推定を行う。
次にすべり面強度の設定を行う必要があるが、すべり面となる弱層はコアを採取して力学試験を行うことが困難な場合が多い。また、すべり面強度は場所によって変化することから、限られた点数の力学試験によって得られたせん断強度がすべり面の平均的な強度と評価することも困難であるため、すべり面強度は安全率を0.9~0.95程度としてすべり解析を用いた逆解析により推定する。
この逆解析では、すべり面の粘着力をすべり土塊厚さの1倍として、内部摩擦角を推定するという方法がとられることが多い。得られたすべり面の強度については、その妥当性を工学的に判断し、不適当である場合には、すべり面の見直しなど検討条件の見直しを行う必要がある。
0コメント