15.Ⅰ.2.2.1 地すべりの発生する素因と誘因に分けて述べよ

①素因;地すべりの発生する原因の内、素因としては地質、地形、断層や破砕帯の有無が挙げられる。

地すべりが起こりやすい地質としては、未固結層、亀裂の多い岩盤、変質しやすい岩盤、スレーキングしやすい岩盤、膨張性のある岩盤などが挙げられる。地質的には安定している岩盤であっても、断層があったり、褶曲作用を受けた岩盤では破砕帯が発達していることが多く、その破砕帯部分が弱点となり、地すべりが発生することがある。

地形としては、尾根状の地形や地下水の集まりやすい状況の地形で地すべりが発生することが多い。尾根状の地形では周囲の地盤による高速が小さく、風化が進む面が広いため地すべりが生じやすい。また、沢地形では地下水が集まりやすく、その地下水の影響により風化が進行しやすい環境にあることから地すべりが生じやすくなる。

②誘因;大雨後や融雪時の地下水の上昇と地震が挙げられる。地下水位の上昇は地盤内の有効応力を低下させることとなる為、すべり土塊の滑動に対する抵抗力を低下させる。地震は元来、不安定であった土塊に対して振動を与えることによってさらに不安定化させ、場合によっては地すべりに至ることとなる。



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