供用中の道路近傍の切土のり面であり、すべり破壊が生じると大災害になる可能性があることから、このまま放置しても問題がないのか、それとも大きな地すべりに至るのかの判断が求められる。
そこでまず、すべり土塊を形成するような亀裂が他にないかを法面の観察によって調査し、小段にて発見された亀裂に対しては、その亀裂が成長するかどうかを地表面伸縮計や測量杭などを設置して調査する。次に亀裂が発生した原因を推定するために、施工時の記録、地質情報、地下水位の変動などを調査、分析する。
その原因が推定できた場合には、同じような条件を満たす個所では同じような現象が発生する可能性があることから、地質調査結果や施工時の法面スケッチ等の記録を調べ、そのような箇所の有無を調査する。
小段に発見された亀裂が成長するようであれば、地すべりが進行中であると考えられることから、計測機器の増設や計測頻度の過密化を図って観測体制を強化する。また、対策工を経済的かつ効果的に行うためにはすべり面深度とすべり土塊形状の特定が重要であることから、地表面伸縮計の追加設置やボーリングを行ってパイプひずみ計の設置を行う。
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