23.Ⅰ.5.1 下のフロー①、②に分類される保護工を2つずつ上げ、工種の概要、設計施工上の留意点、維持管理項目を述べよ

始まり→地山の安定勾配が確保できるか→No→①

始まり→地山の安定勾配が確保できるか→Yes→落石の恐れがあるか→Yes→落石対策工

始まり→地山の安定勾配が確保できるか→Yes→落石の恐れがあるか→No→植生保護又は②


①対策A;鉄筋挿入工

概要;不安定なすべり土塊を鉄筋挿入工の締め付け力、引き止め力で抵抗し、すべり破壊を防止する工法である。

設計施工上の留意点;地下水位が存在する場合やすべり破壊の必要抑止力が約300KN/ⅿ以上の場合は適用不可である。一般的に鉄筋長は5ⅿまでであり、配置ピッチは1.0ⅿ~1.5ⅿである。ただし、岩に定着できる場合は2.0ⅿピッチまで拡大可能である。

施工上の留意点は孔壁の安定性及び地盤の周面摩擦力の確認が必要である。

維持管理における点検項目;鉄筋挿入工を受圧する独立受圧板や現場吹付法枠の変状調査が必要な点検項目である

①対策B;グランドアンカー工

概要;大規模な不安定なすべり土塊をグランド工の締め付け力、引き止め力で抵抗しすべり破壊を防止する工法である

設計施工上の留意点;一般的に浮動層に定着するアンカー体は3.0ⅿ~10.0ⅿまでであり、配置ピッチは3.0ⅿ程度までである。すべりの下部に配置することが効果的であるが、上部のすべりに対しては鉄筋挿入工等による安定性の補完が必要である。

施工上の留意点は、孔壁の安定性および地盤の周辺摩擦抵抗力、受圧直下の地盤支持力の確認が必要である。

維持管理における点検項目;グランドアンカーを受圧する独立受圧板や現場吹付法枠の変状調査が必要な点検項目である。また、リフトオフ試験によるアンカー力の変動調査も必要である

②対策A;モルタル吹付工

概要;法面の表面に、吹付下モルタルなどで被覆し、浸食防止や表層の風化進行を低減させる工法

留意点;表層崩壊など崩壊に対する強度を有していないため、表層崩壊等が発生される場合は採用できない。法面に湧水がある場合は吹付により湧水経路が遮断され、地下水の上昇により法面の不安定化を招くため、水抜きパイプなどを設け、湧水処理を行う必要がある。また、景観に配慮した場合は好ましくない

維持管理点検;吹付面の亀裂や破損、はらみだし、水抜きパイプの目詰まりなどの有無について確認する

②対策B;法枠工

概要;コンクリートやモルタル、二次製品による法枠により、のり面の浸食や表層崩壊を防止し、のり面の安定化を図る工法

留意点;すべり面深度が2.0ⅿ以上の場合は、法枠では対応できないため、他工法との併用が必要となる。

維持管理の点検;法枠の亀裂や変状、のり面のはらみだし、法枠の浮き上がりなどの確認を行う。



0コメント

  • 1000 / 1000