<不同沈下について>
構造物の基礎地盤の沈下に伴い、構造物の各部で不均一な沈下を生じる現象。不等沈下ともいう。一般に沈下が全体的に一様であれば構造物に破壊や変状を生じることは少ないが、不同沈下すると傾斜したり変形して亀裂(きれつ)を生じやすい。軟弱地盤上に構造物をつくる場合には、基礎地盤の圧密沈下に伴う不同沈下を十分考慮しておく必要がある。とくに軟弱層厚が急変しているような所では大きな不同沈下を生じるおそれがある。また、異種の基礎、とくに支持条件の異なる基礎を併用したために不同沈下し、被害を受けた例もかなり多い。このほか、各基礎に作用する荷重の大きさの違いや、施工時に生じる基礎地盤の局部的な乱れなども不同沈下の原因となる。
不同沈下対策には次のようなものがあり、状況に応じ適宜組み合わせる必要がある。
〔1〕構造物を軽くする
〔2〕各基礎に作用する荷重を均等にする
〔3〕基礎構造を統一し、かつ同一支持層につけておく
〔4〕構造物の水平方向の剛性を大きくする
〔5〕適当な箇所に伸縮継手(つぎて)を設けるなど不同沈下に追随しやすい上部構造とする
〔6〕地盤を改良し沈下を抑制する。
<不同沈下をもとめる手順と留意点>
①土質試験を行い地盤の物理定数を把握
・ボーリング調査(土層構成)
・標準貫入試験か(N値)
・含水比試験(含水比)
・密度試験(湿潤密度)
・粒度試験(細粒分含有率Fc、D50,D10)
・一軸圧縮試験(一軸圧縮強度)
・圧密試験(圧密降伏応力、圧縮指数、圧密係数、体積圧縮係数)
②各支点応力の算出
建物からの荷重と地中増加応力をブシネスクの式と足し合わせた荷重を算出し、地盤の有効応力と照査する。
③即時沈下の算出
半無限帯の弾性体として、荷重分布による弾性沈下量を算出する。
S=Q/K=Q/(A×k)
Sは即時沈下量
Qは基礎に作用する荷重
Kは、基礎の鉛直ばね定数
Aは基礎の底面積
kは地盤反力係数です。
④圧密沈下の算出
e-logP法、Cc法、Mv法を用いる。
Cv法により圧密時間を算出する
⑤即時沈下量と圧密沈下量を加算し、沈下量差から不等沈下量を算出する
0コメント