24.Ⅰ.1 堆積土15ⅿの下に基盤岩。長期にわたり活動と停止を繰り返した地すべりにみられる地形の特徴を説明せよ。また抑制工、抑止工の概要と留意点

①地形の特徴;長期に活動した地すべりの特徴として、頭部に滑落崖が形成している場合、コンターが密になっている。また滑落崖の直下には平坦から緩斜の陥没帯が分布する。陥没帯中には湧水による湖沼が形成している場合がある。また、末端部では押し出しに伴い、コンターが凸状になっている場合がある。

②抑制工;排土工と横ボーリング工を挙げる。

排土工;地すべりは一般的に頭部が滑動力が卓越する主動部、末端部が滑動抵抗力が卓越する受働部となっている。排土工は主動部である地すべり頭部の土塊を除去することで活動力を低減させ、地すべりの安定性を増加させる工法である。

横ボーリング工法;地すべりの滑動誘因として地下水位の上昇がある。地下水位の上昇によりすべり面に間隙水圧が発生し、せん断抵抗力が低下し、地すべりは不安定化する。横ボーリング工はすべり面に有孔の塩ビ管を設置し、滑動誘因となる動部付近の地下水を排除しせん断力の低下を抑制する工法である。

③抑止工;アンカー工と抑止杭工を挙げる

アンカー工;鋼線を地すべりを貫き不動地山まで設置し不動地山に定着させ頭部側に受圧板を置きその上からプレストレスを与え締め付けることで地すべりに対し抑止力を与える工法である。比較的抑止力の大きい地すべりであった場合、アンカー角度を緩くし、初期のプレストレスを設計値の30%程度とし、地すべりが滑動した際にアンカー力が増加する引き留めタイプが用いられる。

抑止杭工;鋼管杭を不動地山まで建込み、杭が変形する際に生じる応力で地すべりを抑止する工法である。杭のタイプとして杭背面の土塊の滑動抵抗力を利用したくさび杭とこれを期待しない抑え杭が挙げられる。古くはせん断力を考慮したせん断杭が用いられていたが、杭の破壊状況確認により杭の破壊するケースはモーメント破壊が主であることが把握され、近年は上述の2タイプが主として用いられている。


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