26.Ⅲ.2.2 近年の自然現象や社会環境の変化により、経験に基づく工学的判断に期待する技術体系が通用しなくなる要因を多様な観点から列挙せよ。どのような影響を及ぼすかも併せて説明せよ

①経験豊富な団塊世代技術者が大量に退職したことと、建設投資額減が重なり、ベテラン社員から若手社員への技術やノウハウの継承が行われにくいことが考えられる。これまでは技術者として経験を積む過程として、経験ある技術者と若手技術者がペアを組み業務を行うことがOJTとなっていたが、建設投資減による受注機会の減少により、これまでのジョブローテーションが回りづらい環境になっている。

②人口減少での人材確保の観点;近年わが国では少子高齢化とともに人口が減少していくことが予測されている。そんな中、建設業界では将来受注見通しの厳しさ、労働時間の長さ、福利厚生の厳しさなど、若手労働者が減少している。将来にわたって、技術を継承していくためには、若手技術者を確保していくことが必要である。

③自然現象の変化の観点;ここ数年、地球温暖化に起因すると思われるゲリラ豪雨の多発や東日本大震災の発生など、従来の設計条件により構築された各種構造物では、自然現象によりもたらされているさまざまな外力などを支えきれない事象が多発している。設計外力が変化し設計条件が変わりつつある。これまでの技術による経験則ではこれらの超過外力に対応できない場合があることが想定される。


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