①施工段階
(解決策)ICT土工により、現場作業を自動化することが有効と考える。具体的には、UAV測量により得られた3次元データを元に、現状と設計の差分データを得る。得られた差分データを対象にTSやGNSSを用いて建設機械の位置情報を取得し、排土板の高さや勾配などを自動制御するMC技術、提供されたデータを元にオペレーターが操作するMG技術を用いて施工する。
また、施工時にICT機械の現場センサーから得られる運転操作、運転操作に対応した施工量、品質に関するデータを収集し、AIにより相関分析を行う。
解決策の効果として、MC技術によりオペレーターの省人化が図れる。また、AIの相互分析により、効率的に品質を高めるための操作要素が見える化される為、技術伝承が促進する。
(留意すべき点として)MC技術やMG技術を用いた場合の検査要領の未整備、機器やソフトウェアの要件が統一されていないことが挙げられる。また、AI活用のためのビッグデータの収集と活用の基準の未整備が挙げられる。
②維持管理段階
(解決策)土構造物の維持管理では、主に盛り土と切土の法面の挙動監視が重要と考える。地すべりの自動監視システムが既に用いられているが、これを発展させた自動法面計測システムを開発する。具体的には、2017年10月に打ち上げられた人工衛星「みちびき」みちびきにより、センチメートル単位の精度が可能になり、GNSSによる変位計測は極めて有効になる。これらのデータ輸送量の大量化、通信技術の発展に併せて変位計測システムの汎用化技術を開発する
(注意すべき点)計測システムデータの逸失、漏洩、改ざん等防止のためのセキュリティ対策が挙げられる。また、計測システムが故障した場合の代替する仕組みの構築など、冗長性技術が必要なことが挙げられる。
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