風化が進んだ凝灰岩は、水の浸食などによる乾燥・湿潤の繰り返しを受けると容易に細粒化する。このような特性をスレーキングと呼ぶ。スレーキングしやすい盛り土材を用いた盛土では盛り土内への水の浸透などにより岩質材料が脆弱化するため、急激な圧縮沈下を引き起こし、軟弱地盤上の盛土のように、沈下が大きく長期にわたるという点に留意する必要がある。
対処法としては、スレーキングによる問題が発生しやすい箇所には適用しないことが挙げられる。地下水や湧水の多い高盛土地点や、盛土上に擁壁やカルバートを構築するような箇所には適用しないこと等の配慮が必要である。
スレーキングしやすい材料を路体に使用する場合には、盛土完了後の圧縮沈下を出来るだけ軽減する必要があるため、施工にあたっては材料ができるだけ小粒径となるような掘削方法を検討し、薄層で敷き均し後、ダンピングローラーや大型振動ローラーなどにより盛り土内の空隙を残さないように十分な破砕転圧をする。
スレーキングを起こしやすい材料を用いる高盛土箇所にやむを得ず付帯施設を設ける場合には、沈下による支障が生じにくい、または補修の少ない構造とする。
スレーキングしやすい材料は、盛土内への地下水、湧水などの浸透による乾燥・湿潤作用の繰り返しにより細粒化が促進される為、適切な排水処理を行うことも対処方法の1つである。
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