19.Ⅰ.6.1 高規格盛土の計画において、調査設計する際の概略検討フロー、その着目点、課題、対処法について述べよ

[フロー]

①盛り土計画地全体の地盤条件の把握を目的とした地盤調査の実施。

②盛り土の安定、支持力及び沈下に対する概略設計の実施及び問題点の抽出

③問題点の解決を目的とした追加地盤調査の実施。

④盛り土の安定、支持力及び沈下に対する対策工の設計

[着目点、課題、対策工]

①盛り土の基礎地盤の上層構成とその平面的な分布を把握し、盛土の安定、支持力及び沈下に対して問題となる土層の分布状況に着目する。調査方法としてはボーリング及び標準貫入試験を行う。課題はボーリング時間と費用が掛かるために実施本数に限界があることで、これに対してはボーリング孔の中間にてサウンディングを行って、ボーリングによる調査結果を補足することで対処する。

②の着目点は、盛り土工事が抱えている問題点とその原因となる地盤条件である。この検討では①の調査にて得られた地盤条件に基づき、盛土の安定、支持力及び沈下に対する概略検討を行って問題点を明らかにする。この検討での課題は、この段階で得られている情報は土層構成やN値程度であり、土質定数は推定であることが多く、検討結果には精度が低いことである。対処方法は追加で詳細な地盤調査を行うことである。この概略検討結果から、どの位置でどのような土質定数が必要なのかを絞り込み、追加地盤調査の実施地点と試験項目を決定する。

③の調査では詳細の検討に必要な地盤定数の取得を目的とした土質試験を行う。これらの試験の課題は、試料採取時に試料が乱されることである。対処法としては試料の乱れの影響を受けにくいサンプラーを使用する。また、試験結果についても乱れの影響がないかどうかを確認する必要がある。

④の対策工の設計では、対策工の施工計画に着目する。対策工の設計は完成形で行うが、実際にその対策工を実施するためにはいろいろな仮設工が必要である。したがって、対策工を実際に行うために必要な仮設設備や工事用道路等の検討を行い、追加で必要な対策などがあれば盛り込んだ施工計画とする。

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