のり面縮小化の計画に当たっては採用する工法の特徴を理解するとともに、現地の地形、地質条件、土配計画、維持管理面、経済性などを勘案し、総合的に検討する必要がある。対策工としてもたれ式擁壁工及び補強土工法を採用した場合の留意点を下記に示す。
①もたれ式擁壁工;もたれ式擁壁は地山に支えられながら、自重によって土圧に抵抗する対策工である。作用する土圧に対して、転倒・滑動の安定性と支持地盤の強度について検討を行う。斜面上に設置することになるため、安定性の検討には特に注意を要する。無筋コンクリートとするのが基本であるが、必要に応じて鉄筋コンクリートとしたり、アンカー工と併用することで必要な強度と安定性を確保する。
②補強土工法;補強土工法は、切土法面内に鉄筋を挿入するなどし、補強材と土の摩擦力を利用して土圧に抵抗する工法である。亀裂の多い岩盤に適用する場合には、孔壁の自立性とグラウトの逸脱について検討する必要がある。また、粘土化したり、急激に風化しやすい岩盤に適用する場合には、所定の引き抜き抵抗力ほ確保できるか確認する必要がある。
対策地盤の地下水が高い場合や、湧水が多い場合は適用が困難であるが、排水対策を行って地下水を低下させ、地山と注入材との間に周面摩擦抵抗が十分確保できれば適用は可能である。
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