19.Ⅰ1.2 高盛土上部に盛りこぼし橋台の計画をする際、設計・施工上の留意点と対策

①基礎杭の工法選定;通常、基礎杭に広く使用される場所打ち杭は盛り土上では安定液が逸液する可能性が高く採用は難しい。よって盛りこぼし橋台では既製杭が多く用いられている。

②施工時の変位に対する検討;盛りこぼし橋台は盛り土端部に設置される為、通常の地盤に設置される橋台より水平変位が生じやすい構造である。そのため2列以上の組杭を原則としている。NEXCO設計要領の手法では、計画盛土高さまで盛り土を行い、部分的な掘削を行い、橋台基礎杭と橋台施工を行うことを前提としている。つまり、ここで算出さる変位量は施工後の盛土量を極力減らした場合の施工変位である。このような前提を理解しないで、基礎の高さまで

盛り土を行い、橋台施工後の背面盛土を行う計画では後施工の盛土荷重が大きく、設計要領の想定以上の水平変位が発生する危険性がある。そのような施工計画を採用してはならない

③地震時の変位に対する検討;盛りこぼし橋台は水平変位も発生しやすく、NEXCO設計要領では施工時荷重による1/2が残留し、そこに地震時の水平変位が追加される検討を行う。常時地震時共に求まった地盤変位と地盤ばね値より作用荷重を求め、応答変位法のように地盤ばねに指示された基礎杭と橋台のモ構造モデルに荷重を作用させ、基礎構造の断面力を求め、各部材の応力照査を実施する。

0コメント

  • 1000 / 1000