19.Ⅰ1.1 15m良質土高盛土(法尻に構造物・護岸有)に対する課題・課題解決対策と必要な調査計画

①盛土本体に対する検討;盛り土斜面の検討の他、円弧滑り等の安定解析を実施し、盛土の安全なせん断強度を把握することになる。また使用する盛り土材を用いた室内締固め試験を実施し締固め特性を把握する必要もある。締固め度に応じたせん断強度と盛り土の変形特性を把握するため、一軸三軸圧縮試験を実施する必要もある。また盛土本施工に先立ち、現場で必要な締固め度が確保できる転圧仕様を把握する試験施工を行う必要もある。

②盛土支持地盤に関する検討;支持地盤が軟弱な場合、支持地盤に圧密沈下が発生し、盛土にクラック発生などの悪影響を与える可能性がある。また地盤が軟弱な場合、盛土荷重による側方流土を起こす可能性もある。法尻部に護岸や建物が近接しており、地盤の沈下や側方流動が生じた場合護岸や建物基礎杭に悪影響を及ぼす恐れがある。よって軟弱層の厚さを特定するボーリングを実施するとともに、軟弱層の圧密特性とせん断強度を把握するため、不攪乱試料を採取し、圧密試験と一軸・三軸圧縮試験を実施する必要がある。把握した圧密特性から、盛土荷重に伴う支持地盤の圧密沈下量を把握する。また把握した軟弱層の層厚とせん断強度より側方流土の検討も行う。高盛土による圧密沈下や側方流動が発生する可能性が高い場合は、近接構造物への影響検討を実施する。発生変位を定量的に予測するにはFEM解析を用いる。影響検討の結果護岸や構造物基礎に悪影響を与える場合には、対策工が必要になる。対策工としては軟弱地盤層に深層混合処理工などの地盤改良を施工し変位を軽減する対策工が考えられる。

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