①支持力の検討;基礎から地盤に伝達される荷重によって、地盤がすべり破壊をする際のすべり線は、基礎幅の2倍程度の深さに及ぶことから、地盤改良を実施予定の上部粘性土層の下層に位置する細砂層を主に対象として支持力の検討を行う必要がある。検討においては地盤改良部における応力分散を考慮し、細砂層における作用荷重と支持力との比較を行って、安全性の確認を行う。
②沈下検討;沈下に関しては細砂層の即時沈下とシルト層の圧密沈下の検討を行う必要がある。即時沈下は地盤の弾性変形に起因する沈下であるため瞬時に終了するが、圧密沈下は荷重増加に伴って発生する過剰間隙水圧が、地盤の透水性が低い為にゆっくりと時間をかけて消散することによって発生するため、沈下が終了するのは建物が完成した後になる。
箇所毎の沈下量の相違により不等沈下が生じると、建物の構造部材に応力が発生するため、不等沈下量を考慮して基礎及び上部構造をモデル化し、構造上問題がないことを確認する必要がある。特に即時沈下に関しては、建物の各部位が構築されるたびにその増加荷重による沈下が発生するため厳密な検討を行うためには、施工の各段階に応じた荷重及び建物剛性を反映させた解析が必要となる。
③地盤改良の検討;地盤改良の範囲は建物荷重の分散を図るのに十分な範囲とし、改良体の強度は建物荷重を支持できるように設定する。施工方法は改良深度、周辺環境やトラフィカビリティー等の施工条件、経済性などを総合的に判断し決定する。固化材の種類及び添加量は、事前の配合試験を行い、現場・室内強度比を考慮して決定する
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