①作用荷重の不均質性;各基礎への作用荷重が不均質であると沈下量にも差が生じ不等沈下の原因となる。対処方法としては荷重の不均質性を軽減する方法と荷重が不均質であっても不等沈下が生じないようにする方法がある。前者は具体的には建物上部構造を変更し、各基礎への作用荷重ののバラツキを小さくする。剛性の高いべた基礎へ変更することで地盤に伝達される荷重を等分布荷重に近づけるなどである。後者は地盤改良深度の延長や杭基礎への変更によって、沈下そのものの発生を抑止する方法である。
②地盤の不均質性;地盤の層構成の傾斜などに伴い、沈下対象層厚が箇所により異なっていると沈下量にも差異が生じ不等沈下の原因となる。基礎形式を剛性の高いべた基礎とすることで、沈下の進行に伴う基礎及び上部構造の剛性効果により、基礎への荷重の再配分が行われて沈下が平均化され、相対的な沈下が小さく抑えられる。それでも不等沈下が許容値以上になる場合は、杭基礎への変更等を検討する必要がある。
③地盤中の障害物の存在;地盤中に障害物が存在すると、当該箇所の沈下が妨げられるため、不等沈下の原因となる。障害物が撤去可能であれば撤去することで対処が可能であるが、地下構造物等で撤去できない場合は、べた基礎や杭基礎への変更などを検討する必要がある。杭基礎とする場合で、対象障害物の打ち抜きができない場合には、障害物を避けた杭配置にする必要がある。
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