20.Ⅰ.5.2 3日間の降雨後、亀裂が観測。土質工学的要因の概説、原因の説明

地滑りが発生する要因は素因と誘因がある。

 素因とは地形や地質、地質構造水文条件が地滑りが発生しやすい状態にあることを意味する。地すべりはある程度限られた地域に集中する傾向があり、過去に何回か活動を繰り返し、独特な地滑り地形を呈している場合が多い。

 誘因とは、地滑りが発生するトリガーとなるもので、自然的誘因と人工的誘因がある。自然誘因としては降雨や融雪い伴う地下水位の上昇、末端部の洗堀、積雪や地震がある。人為的誘因としては土工、トンネル掘削、ダム湛水等がある。明瞭な地すべり地形を呈するところではわずかな土工であっても地すべりの誘因となる。

 道路の上部斜面が崩壊跡地とみられる地形を呈しており、地すべり地の頭部を盛り土することで新しいすべり面が形成。末端部を切土することで上部斜面にすべり面が誘発された。土工のみであれば安全率低下は僅かであったが連続した降雨で地下水が増加し安全率が低下、亀裂の発生に至ったものと推測。

0コメント

  • 1000 / 1000