①資料などで行う概略的な予測
②詳細な土質試験及び数値解析による予測
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①資料などで行う概略的な予測
液状化現象は埋め立て地や旧河道での発生事例が多く、対象地点の地盤調査資料がない場合は、地形図による概略的な予測を行う。この予測手法は、広域にわたる検討対象地点で液状化の可能性のある地点を絞り込む際などに用いられる。
対象地盤の地盤調査資料にサウンディング結果がある場合は、定量的かつ簡易に液状化現象を予測できる。この予測手法は、構造物の液状化対策などの検討に用いられ、標準貫入試験を用いた以下の予測方法が多く使われている。
・FL法;地盤各深度の動的せん断強度比Rを、N値、有効上載圧、平均粒径及び細粒分含有率から推定し、地震時の繰り返しせん断力比Lで除した液状化に対する安全率
FL=R/L
FLが≧1で液状化しない。により液状化現象を予測する
・等価N値、等価加速度による判定;有効上載圧及び細粒分含有率で補正した等価N値を算定し、地盤の等価加速度との比較から、液状化現象を予測する。
②詳細な土質試験及び数値解析による予測
数値解析による予測手法には、全応力解析と有効応力解析の2種類があり、兵庫県南部地震以降、有効応力解析が実務で多用されるようになってきた。有効応力解析は、解析的な予測手法の中では最も厳密な方法で、液状化現象の発生を許容し、構造物の変形を照査する場合に用いる。
有効応力解析には、土のせん断変形の非線形性、及び土のダイレイタンシー特性もしくはこれに起因した過剰間隙水圧の発生特性に関する各種の構成則を適用したものがある。これらの物性パラメータを設定する土質調査・試験としては、地盤の初期剛性を評価するためのPs検層など動的変形特性を評価するために繰り返し試験(繰り返し三軸試験など)及び液状化強度特性を評価するための繰り返し非排水三軸試験等を実施する。
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