15.Ⅰ.2.8.2 詳細設計、施工計画を行うに当たり必要な、調査項目及び試験項目を挙げて説明せよ

把握すべき項目は

①杭の鉛直支持特性

②杭の水平支持特性

③地盤の液状化特性

④粘性土地盤の圧密特性 が挙げられる。

 杭の鉛直支持特性については、今回は値入が支持層であり、杭先端支持力及び鉛直方向のばね定数はN値から推測が可能であるが、支持層がどの深さまで存在するのか確認する必要がある。周面摩擦についてもN値から推測可能であるが、粘性土地盤に対しては一軸圧縮試験による一軸圧縮強度から得られる粘着力Cを用いる。

 杭の水平支持特性については、弾性領域においては水平方向地盤反力係数、塑性領域に関しては受働土圧の評価が必要になる。砂質土層に対しては水平方向地盤反力及び内部摩擦角ともにN値からの推測が可能であるが、粘性土ではN値との相関関係があまりよくないため、一軸圧縮試験を行って一軸圧縮強さおよび変形係数E50を求める。

 地震時の液状化特性については、今回の場合には中間層の砂質土層が対象となり、粒度試験および塑性・液性限界試験を行って、液状化判定に必要な細粒分含有率Fc、塑性指数Ⅰp、平均粒径D50、D10の値を求める。これらの結果から液状化判定を行う必要がある土層と評価された場合には、N値及び単位体積重量が必要となる。

 粘性土地盤の圧密特性については未圧密粘土の場合には杭基礎もしくは鋼管矢板にネガティブフリクションが作用する可能性があるため、その特性を把握する必要がある。その把握のために必要となる試験は圧密試験であり、圧密沈下が生じる可能性があると判断された場合には、久野設計において考慮する周辺摩擦力を一軸圧縮試験より求める必要がある。

 施工計画の立案にあたっては、フーチング施工時に杭基礎であれば鋼管矢板による締め切りと内部掘削を、鋼管矢板井筒基礎であれば内部の水の排水と内部掘削を考慮する必要がある。この内部掘削時には土留め工が必要となることから、掘削対象地盤である粘性土の粘着力cを一軸圧縮試験によって、掘削時の受働側地盤となる砂質土の内部摩擦角をN値から推定する。

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