15.Ⅰ.2.5.3 地盤改良を用いない側方流動対策を2つ挙げ、それぞれの設計・施工上の留意点を述べよ

①軽量盛土工法

 側方移動の原因となる取り付け盛土の材料として軽量盛土材を使用し、すべり起振動を低減させる工法である。

 設計では、軽量盛土材の密度の設定が重要となる。密度を小さくすると強度が低下するため、道路上から作用する荷重と要求される密度のバランスをとることが必要である。

 施工にあたっては、配合試験を行い、目標密度が得られることを確認する。発泡材を用いる材料では、打設リフトが高い場合や降雨時には気泡が消散し密度が上昇するので、施工計画の立案や打設時の管理に入念に行う必要がある。

②増し杭工法

 側方移動を考慮した設計を行い、杭の本数や肉厚を増加させ、基礎の剛性を高めることで、側方移動に対する抵抗力を増加させる方法である。他の基礎との離隔が小さければ、ストラット(つなぐ)を併用した補強も可能である。

 設計では、取り付け盛土側の沈下量に留意し、沈下量が過大である場合には段差対策を盛り込む必要がある。

 施工においては、取り付け盛土の盛り立てを橋台の壁部の構築よりも先行させるなど施工手順を工夫して、沈下の影響を少なくするようにする。

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