16.Ⅰ.2.10.1 過剰間隙水圧、S波速度、長周期地震動について説明せよ

①過剰間隙水圧

水で飽和した緩い砂地盤に地震などの急激な繰り返しせん断力が作用したとき、砂が体積収縮(負のダイレンタンシー)し、間隙比eが減少するしかし、急激な変化であるため、間隙水の排水が間に合わず間隙水圧が上昇する。これを過剰間隙水圧と呼ぶ。

②S波速度

地震波の伝わる速度は縦波の方が早く、振動方向が波の進む方向に垂直な横波は2番目(secondary)に到着するため、S波とよばれる。このS波の弾性波速度をVsと呼び

G=γ×(fg×Vs)^2/gの関係がある

G;せん断剛性

γ;単位体積重量

fg;地震調査係数

g;重力加速度

PS検層により測定することが可能で、特に地盤の力学的特性を定量的に把握することができる。このVsと縦波P波の弾性波速度VpをもとにP波、S波の到着時刻差を計測することで、地震の震源を特定することができる。

③長周期地震動

地震動には様々な周期の波を含んでおり、一般的に周期数秒以上の地震動を長期地震動と呼ぶ。震源がプレート間の場合や表層地盤が軟らかい場合などに長周期成分が卓越するが、震源がプレート内の深い地震の場合や表層地盤が硬い場合などは短周期が卓越するといわれている。高層ビルなど改装の高い建物は、固有周期が長く長周期地震に弱い。また、石油タンクのスロッシング現象などは、長周期地震動による共振現象である。


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