16.Ⅰ.2.8.3 中間砂層に支持した場所打ち杭の鉛直支持力を確認するため、載荷試験を行う。試験内容と結果の利用法を説明せよ

杭の鉛直載荷試験は地盤工学会基準の中で6種類に分類され、今回の載荷試験は、施工された本杭が設計支持力を満足しているかどうかを確認する事を目的とする押し込み試験である。設計において変位量の制限値がある場合には、その検証も目的の1つとなる。押し込み試験は、実際の杭と同じ載荷条件を再現するため、通常、載荷梁、反力杭を用いてジャッキによって杭頭に押し込み力を加える。

 載荷方式としては、荷重を段階的に変化させ、各段階で荷重を保持する段階載荷方式と、荷重を保持させず連続的に荷重を増加する連続載荷方式がある。

 試験結果は、選択した荷重に応じた変位量を測定し、

・荷重ー沈下量

・時間ー沈下量

・時間ー荷重

・荷重ー弾性戻り量

・荷重ー残留沈下量

などの関係曲線を図示する。

 試験結果から得られる特性値は、第一限界抵抗力と第二限界抵抗力がある。第一限界抵抗力は logP-logS 曲線に現れる明瞭な折れ点の荷重をいい、S-logt法、ΔS/Δlogt-P法、残留沈下量の、急増点などを総合して判断する。ただし、先端変位量が先端直径の10%以下の範囲とする。

第一限界抵抗力、第二限界抵抗力は、それぞれ従来の降伏荷重、極限荷重に相当する。しかし、降伏荷重、極限荷重の呼称は定義や判定法が実情に一致しない部分が多くなっている。そのため、限界状態設計法の導入に伴い、杭頭の荷重ー沈下量関係において、最初に現れる変化点を杭の抵抗挙動を表すものとして、第一抵抗力、杭の沈下量を考慮した支持力の限界として第二抵抗力と呼称する点に注意する必要がある。


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