17.Ⅰ.2.5.3 地盤が軟弱で近接する杭基礎の構造物がある場合、地震時の盛土が及ぼす影響について述べ、検討方法と対策を説明せよ

①地震時の盛土が杭基礎構造物に及ぼす影響

地震動によるひずみや間隙水圧の上昇により粘性土地盤の強度が低下し、粘性土地盤がせん断変形により側方へ流動する。この流動による流動力が杭基礎に作用し、杭基礎へ影響を及ぼす。流動力による杭基礎の破壊形態としては、杭や杭頭部、スラブなどの構造体と支持地盤の破壊が挙げられる

②杭基礎に及ぼす影響の検討方法

盛土、粘性土地盤及び杭基礎からなる地盤。構造物の全体系をモデル化したうえで土の非線形特性を考慮した地震時動的応答解析を実施し、影響を把握する手法が代表的な検討方法として挙げられる


③杭基礎に及ぼす影響に対する対策工法

・盛り土の耐震性向上;先に述べた種種の方策により盛り土の耐震性の向上を図ることで、杭基礎への影響を抑制する

・遮断防護工;盛土と杭基礎との間の地盤中に連続地中壁や鋼矢板などを設け側方流動の伝達を抑制する

・杭基礎の補強;薬液注入などによる杭基礎地盤の強化や増し杭により、側方流動による基礎の変形を抑制する。

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