①バーチカルドレーン工法
地盤中に適当な間隔で砂杭やカードボードを鉛直方向に設置する工法で、地表面に透水性の高い砂を敷きならしたサンドマットを併用することが多い。
この工法では、地盤の水平方向の圧密排水距離を短縮して圧密を促進し、地盤の増加強度を早めることができるので、同じ盛土荷重作用時では、無対策の時と比べて圧密度が向上して有効応力が増加し、盛土の基礎地盤の非排水せん断強度が増加する。その結果円弧すべりに対しては、すべり抵抗力が向上して安定性が増加する。
②サンドコンパクションパイル工法
軟弱地盤中に締め固めた砂杭を造成する工法で、砂杭のせん断抵抗力により地盤全体のせん断力が増加する。盛土荷重に対して、想定されるすべり面に砂杭を配置することで砂杭のせん断抵抗力を考慮できるため、すべり抵抗力が増加する。
施工における留意点としては、バーチカルドレーンで挙げた鋭敏比の高い粘土への適用とk重機の支持力に加えて、砂杭打設時の地盤の水平変位が挙げられる。周辺地盤に変形が及ばないように素掘り側溝を設けたり、打設順序を周辺地盤側から盛土中央部に向かって打設するようにする。また、振動・騒音も発生することから、周辺環境への影響についても留意する必要がある。
③深層混合処理工法
セメントなどの固化材を軟弱土と混合・攪拌して、せん断強度の高い固化体を造成する工法である。改良部のせん断強度を固化材の強度とすることで、安定性の向上を図るものである。
この工法では原地盤に固化材を添加して攪拌・混合することから、地盤の水平変位が生じるため、近接構造物がある場合には、排土式の機械を採用する必要がある。また、この工法では、固化材が接円配置となる高改良率の採用が可能であるが、改良率が高くなるほど沈下量が小さくなり、非改良部との不同沈下が顕著になることから注意が必要である。重機を使う工法であるので、施工時の支持力については十分な検討が必要である。
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