24.Ⅱ.1 我が国の防災・減災に向けた社会基盤の整備における課題を3つ挙げ、その内容を説明せよ。それらの課題に対し、防災・減災に向けた今後の社会基盤の整備を具体的にどのように進めていくべきか述べよ

<課題>

①ハード対策の限界

東日本大震災においては、未曽有の被害を受けた。特に津波による被害においては10㎞を超える想定外の大津波により、いくつもの街を壊滅させた。これより、ハード対策のみでは被害を防止、軽減することに限界があることが課題である。

②地域コミュニティの低下

人口減少と少子高齢化および地方都市の空洞化により、地域コミュニティの低下が進んでいる。これにより、迅速な避難活動に支障が生じてしまうことが課題である。

③インフラ整備の限界

我が国においては人口減少と少子高齢化及び長引く不況により国内の建設投資額がピーク時の約6割に落ち込んでいる。また膨大な社会資本ストックを抱えている。このような状況の中ですべてのインフラ整備を行うことは厳しい状況である。

<解決策>

①ハード対策の限界について

防災及び減災を図るためには、ハード対策のみではなくソフト対策を組み合わせて対応する事が必要である。ソフト面の対策としてはハザードマップなどの作成や適切でタイムリーな情報発信(津波警戒・緊急地震速報・洪水情報)、これを住民が受診して避難するような仕組みを作るものである。東日本大震災でハザードマップの見直しや避難場所の見直しは必至である。

②地域コミュニティの低下について

集約型の都市構造いわゆるコンパクトシティを図ることである。中心市街地においては都市機能が集積し、人々の交流機会・にぎわう機会が増加することや、徒歩・自転車、公共交通を中心とした歩いて暮らせるまちづくりの促進、バリアフリー化を進めやすいことにより高齢者に優しい街になる。これらによって、地域コミュニティの向上が図られ、減災につながる。

③インフラ整備の限界について

財源に制約がある中でインフラ整備を行うには、効率的な投資を行う必要がある。以下に具体的な施策を述べる。

・インフラの更新や維持

管理等にPFI(民間資金を利用した社会資本整備)やPPP(官民連携)を活用する。最近はボランティアによる橋梁の点検を行っている活動があり、点検費用削減に寄与している。

・アセットマネジメント導入により、適切な既存ストックの維持管理を実施し、構造物の延命化や更新時期の分散化を図る

・技術も評価対象とした総合評価型の入札制度を導入することで、高い品質が確保できる

・選択と集中により重要度・供用性のたかい構造物を優先的に整備していく

・釜石の軌跡のように防災訓練・教育を地域・行政が一体となって実施する。

4.おわりに

東日本大地震においては甚大な被害を受けた。このことは、私の人生において決して忘れられない出来事である。今後は技術者として災害に強い国造りに貢献していきたい所存である。



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