H27.Ⅲ.1 社会資本ストックを維持管理・更新するに当たり、鋼・コンクリート構造物と比べ地盤構造物特有の課題を列挙説明

①自然由来の土材料を主体とした構造物であり、使用材料と施工の良否でその性能には大きなばらつきが生じやすく、不均一性という材料特性上の問題がある。一方鋼・コンクリート構造物はばらつきが少ない。また劣化予測や状態の判断がつけにくくこれまでは維持管理の手法が定まっていなかった。今後は効果的・効率的な維持管理の管理手法の構築とその実行が課題である。

②地球温暖化に伴う海面上昇、これに伴い地下水位も上昇することが考えられ、さらに季節変動などもある。地盤構造物は常に自然にさらされており、周辺の地形、地質、気象、地下水の影響を受けやすく、機能低下につながりやすい。例えば河川堤防内部の閉封飽和域による地震時の液状化、表層崩壊、深層崩壊等、豪雨や長雨による浸透水の影響で大規模な斜面崩壊等が発生している。これらの想定外の超過外力などによる自然災害への対策が課題である。

③発生確率が高まる巨大地震への対策が注目される中、社会状況変化に対応した地盤構造物の地震対策を行う必要がある。既存ストックは膨大な数があり、重要度や耐震診断結果による維持管理・更新のルールを策定するとともに、地盤構造物の持つべき要求性能を明確にし、維持補修更新の判断に役立てる必要がある。このように、限られた財源の中で社会コストを低減する必要がある。

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