施工;解決策として、施工段階での情報化施工の推進を提案する。人工衛星(GNSS)からの位置情報と建設機械に搭載されたマシンガイダンスの連携によりリアルタイムに施工管理をすることができる。従来は丁張や盛り土の転圧管理は人力で設置・管理していたものが3次元情報を活用し、省人化、省力化、無人化することで安全・迅速な施工が可能となる。
<留意点>
①施工業者の手抜き;最近では杭基礎工事における杭施工や地盤改良工事における改良率のデータ改ざんなど問題点が発生している。情報化施工ではカメラや画面上での確認による施工管理の確認が基本であることから、悪意ある施工者であれば、従来よりデータ改ざんやねつ造が容易になる部分もある。このため、施工者の技術者理論を向上させる教育・訓練を充実させるとともに、発注者のチェック体制も構築いていく必要がある。
②情報化施工は初期投資が必要となることら、すべての施工業者が利用するのが難しい。中小の施工業者でも利活用しやすい基本整備を構築する必要がある。
維持管理;FEM解析などの高度な解析による地盤構造物の予防保全による維持管理とドローンやロボットを活用した点検の効率化を提案する。
具体的にはパソコンの性能が向上し価格も安価になることで、地盤の変状予測などを行うFEM解析が可能になってきている。また、災害個所や法面の高所など容易に近づけない場所では、遠隔操作のロボットなどを活用し3次元測量が容易になってきている。これらの新技術を活用することで経済的で迅速な維持管理が可能となる。
<留意点>
①パソコンの性能向上に伴い、高度な解析が可能になる一方で技術的に未熟なものであっても解析が可能になるブラックボックスエンジニアの問題が挙げられる。この対策として、土質定数や境界条件を設定、入力できる技術者の教育・訓練が必要と考える
②ドローンを活用した調査は、航空法の手続きに基づき事前に関係機関に届け出したうえで実施する必要がある。
③ロボットなどを活用した情報収集は、第三者のプライバシーを侵害する可能性があるので、写真撮影など個人情報に注意を要する。
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