①支持層の未貫入
効果的対策;スウェーデン式サウンディングやラムサウンディング等のサウンディングをボーリングと併用して行うことが効果的対策と考える
メリット;サウンディングはボーリング調査に比較して早期にかつ安価に行えることがメリットである。
問題点・留意点;サウンディングでは支持層に達すると貫入不能になるという特徴を利用する手法である。ただし、ボーリング調査のように土質を目視確認できる手法ではないため、例えば支持層以浅に礫等の障害物があった場合、支持層の判断が困難となる。したがってサウンディング手法はあくまでボーリング調査の補間的位置づけと認識する事。またあまりサウンディングの調査区間が長くならないよう調査計画を行う必要がある。さらに支持層深度把握の精度向上のため、支持層上面の等高線を作成し、その間隔が特に狭いところについては必要に応じて追加調査を実施することが望ましい。
②想定外の圧密沈下や不等沈下
効果的対応策;圧密特性と物理特性は相関性があることから、物理試験を密に行うことで、圧密特性を把握することが効果的対応策と考える。
メリット;物理試験は圧密試験に比べ、その費用が非常に安価な点、また試験に要する時間が短い点がメリットとして挙げられる。
問題点・留意点;物理試験のみでは圧密特性の違いは解っても、検討に必要な物性値を直接得ることはできない。したがって、代表深度について両方の試験を行うことで、両者の相関性を把握し、その関係性を利用し、物理試験値のみで圧密沈下量を予測する。
なお、二次圧密沈下量については、上記の試験でその相関性を把握することは困難なため、強熱減量による腐食物混入程度と圧密特性の関係についても相関性を把握することで、沈下予想の精度が向上できる。
③固結工法による地盤改良体の強度不足
対応策;目標とする必要強度を得るため、固化材の種類・固化材の添加量を定めることを目的に配合試験を行うことが挙げられる。配合試験にあたっては、ボーリングなどによって現地の土を採取して試験することが基本となる。地盤が複数の土層で構成されている場合は各土層毎にサンプルを採取して
配合試験を行い、必要強度が得られる最適な配合の組み合わせを明らかにすることが必要である。
効果;実際の地盤土を採取して試験するため、改良の効果を高い精度で把握することができる。また、各土層ごとに配合試験を実施した場合、不均等な地盤であっても必要な強度を得られる配合の組み合わせを明らかにすることができ、実際の施工方法検討の資料となる。
問題点・留意点;土層構成が複雑な場合、各層ごとに配合試験を行うと配合条件が煩雑になることである。この場合は配合試験に先立って土質試験を行い、各土層の物性値(含水比や有機物含有量、粒度構成など)を調べ、最も強度が出にくい土層を仮定する。仮定した層のサンプルを使って配合試験を行い、必要強度が得られる配合を決定したうえで、同じ配合で他の土層が必要強度が得られるか確認することが必要である。
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