29.Ⅱ.2.1跨線橋に15ⅿの杭基礎橋台。背面は9ⅿの盛土で3ⅿの軟弱砂質土、12ⅿの軟弱粘性土の構成。橋台及び周辺に生じる可能性のある変状、照査方法。必要な物性値、試験方法を述べよ。

①地盤沈下;橋台背面の盛土構築により、軟弱砂質土に即時沈下が生じる可能性がある。また、軟弱粘性土において圧密沈下が発生する可能性がある

<物性値・調査試験方法>;圧密沈下に対してはCU試験や間隙水圧試験により粘性土の圧密状況を把握する。e-logP曲線により圧密量や圧密時間を把握する

②橋台杭の変状;軟弱な粘性土の圧密沈下に伴い、橋台杭の周面に下向きの応力が発生するネガティブフリクションにより、杭に座屈が生じる可能性がある。

<物性値・調査試験方法>;粘土層の側方移動についてはIc値により側方流動の状態を把握する。Ic値は単位体積重量γ、盛土高h、粘着力cの係数よりきまる。

③橋台の側方移動;粘土層が軟弱なため、橋台背面盛土が偏荷重となり、橋台を前面に押し出す現象が生じる。橋台の変位により、桁端や支承の損傷、杭体に過大な変位や応力が作用する。また、橋台の変位により、鉄道に隆起や変位が生じる恐れがある。

粘性土の粘着力cに対する背面盛土荷重比を基礎形状で補正した側方移動判定値Ⅰが1.2以上で側方移動の可能性がありと判定する。

また側方移動指数(F値) F≧4×10⁻²の場合側方移動の恐れはないと判定する

<物性値・調査試験方法>;一軸圧縮試験より粘土層のC、湿潤密度試験から盛土・砂質土層のγ。調査は粘土層から不攪乱試料を採取し、応力解放等による試料の乱れの影響などを考慮してUU三軸圧縮試験により非排水せん断強さSuを求める


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