<盤ぶくれのメカニズム>
地下水位が高い地盤での土留め工において、掘削底面が不透水層(粘性土層)であり、その直下に透水のよい被圧帯水層(砂質土層等)が存在する場合に発生する可能性がある。掘削を進めるに従い、掘削底面の難透水層の土塊質量が小さくなる。下方に存在する砂質土層の間隙水圧が難透水層の土塊質量を上回ること(被圧水による上向きの揚圧力が上回ること)で、掘削底面が隆起し、最終的には掘削地盤が突き破られボイリング状の破壊が生じる。
<防止対策と適用の留意点>
①地下水の低下;ディープウェル工法により、地下水を低下させ難透水に作用する揚圧力を低減させる。適用にあたっては周辺井戸に渇水・水位低下等の影響がないか留意する。また周辺地盤に沈下が生じる恐れがある。
②土留め壁の根入れを長くする;被圧帯水層の揚圧力を低減させるため、その下の難透水層まで根入れを長くし、地下水の供給を止める。適用にあたっては、下部難透水層の深度を把握し、根入れ不足が生じないように留意する
③地盤の剛性を上げる;掘削底面以深を地盤改良することにより、地盤の剛性を高め、盤ぶくれを防止する。適用にあたっては、未改良部を発生させないこと。掘削底面以深の地盤を把握し、改良深度を検討する必要がある。
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