完成後の課題としては、第一砂層の長期的な地下水位の変動が考えられる。地下水位が低下した場合、第一粘性土の脱水圧密沈下が予想され、地下道路部は沈下しないものの周辺に圧密沈下を生じ、地上の道路に段差が発生するなど道路の機能障害が生じる可能性がある。
また、周辺に大規模な重量構造物が直接基礎式で構築される場合、上記と同様に圧密沈下による地表面の段差が発生するほか、引きずり込みによる地下道路躯体への影響が懸念される。
対策として地下水位低下を抑止することは困難であるため、段差が生じた場合に。機能障害が生じないような地上計画や山留壁を残置し遮断工として機能させる。
地下水位が上昇した場合には、地下道路躯体が浮き上がる問題となる。対策としては、計画段階で重量が大きくなるような躯体断面を増加させるか、浮き上がりの危険性が確認された段階で、躯体下床板から、垂直下方向にアースアンカーなどを処置する方法がある。ただしこの場合にも、計画段階でアースアンカーが施工できるような施工スペースを確保する必要がある。
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