22.Ⅰ.10.1 下のそれぞれについて、代表土質名または岩石名、地山を切土する際想定される崩壊形態、安定に関する地盤調査・試験項目を述べよ

①浸食に弱い土質

②固結土の低い土砂や強風化斜面

③風化が速い岩

④割れ目の多い岩

⑤割れ目が流れ盤となる

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①浸食に弱い土質

・土質・岩質名;強風化花崗岩(マサ土)シラス

・想定される崩壊形態;雨水によるガリー浸食の発達。地下水の湧水による切土表面の細粒分流出や吸出しに起因する緩み、土塊飽和に伴う土塊自重の増加や有効応力の減少、サクションの消失に伴う表層崩壊への発展

・安定に関する調査・試験;簡易貫入試験やSH型貫入試験による緩み範囲や微細な弱線、または崩壊深度の予測。テンシオメーター等による地中飽和度の測定等。

②固結土の低い土砂や強風化斜面

・土質・岩質名;崖錐性堆積物、段丘堆積物、有機質土

・想定される崩壊形態;吸出しや雨水に伴う緩みや細粒分りゅうすつ、飽和に伴う有効応力減少などに起因する表層崩壊。基盤岩と上位の土砂層境界部の水みちの粘土化に起因するすべり破壊。雨水浸食進行による崖錐・段丘礫の脱落

・安定に関する調査・試験;ボーリング調査と地下水位観測及び孔内傾斜計等による、施工時監視の動態観測

③風化が速い岩

・土質・岩質名;泥岩、凝灰岩、蛇紋岩等

・想定される崩壊形態;スレーキングによる吸水膨張などの劣化に起因する表層崩壊やリル浸食。粘土鉱物の膨潤等に起因する地すべり

・安定に関する調査・試験;ボーリング孔で地下水位や孔内傾斜計観測による崩壊機構解析と施工時の監視、スレーキング試験や乾湿繰り返し試験によりスレーキング率や吸水量増加率を測定し、劣化対策と適正のり勾配の選定

④割れ目の多い岩

・土質・岩質名;花崗岩、砂質・泥質片岩、安山岩等

・想定される崩壊形態;節理系亀裂などの方向や緩みの程度によってはくさび崩壊や岩盤崩壊。抜け落ちによる落石。断層や熱水変質脈などの弱線に起因する初生岩盤滑り等。トップリング崩壊。

・安定に関する調査・試験;ボーリング併用で速度検層や弾性波探査または電気探査によるゆるみがんばい範囲の想定。地表踏査による節理系や断層破壊帯等の弱線方向の測定

⑤割れ目が流れ盤となる

・土質・岩質名;泥岩、凝灰岩などの堆積岩

・想定される崩壊形態;切土に対して流れ目を弱線とした再活動又は初生地すべりの発生。滞在する断層や層状破砕帯の経年劣化に起因する直線すべりや、神戸層群のような遅れ破壊に起因する椅子型すべりの発生。

・安定に関する調査・試験;ボーリング孔で地下水位や孔内変動観測、定点観測などで施工時の監視、X線回析分析やCEC試験による膨潤特性の把握。すべり面粘土またはすべり面となりうる弱線の繰り返し一面せん断試験やリングせん断試験等による完全軟化強度と残留強度の把握


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