22.Ⅰ.7.3 土留め壁を支持層上の粘性土まで入れた後、掘削前に揚水試験を行ったところ、計画量の3倍であった。原因を複数挙げ、原因についての検討方法と対応策を述べよ。

<原因>

①遮水壁の根入れ層とした粘性土層の縦断方向の層厚並びに不透水性が一様ではなく、下位の砂質土層貯留水が掘削側に浸透している可能性がある。このため、粘性土を挟んだ砂礫層と砂層の地下水水頭が近似している。

②ソイルセメント地中連続壁の遮断性能が一様ではなく、部分的に漏水を生じている可能性がある。漏水箇所を生じる原因は以下の通り

・第一粘性土層にセメント系固化材の水和反応を阻害するフミン酸を含有し、壁体に未固結箇所が生じて漏水している

・第一粘性土を挟んだ砂質土と礫質土の貯留地下水頭差が5mと大きいことから、ソイルセメント地中連続壁が第一粘性土層を貫通した時上下透水層厚で激しい地下水流が発生して、ソイルセメント壁が固まる前に流出した

<原因検討方法と対応策>

①第一、第二粘性土層の連続性、フミン酸含有調査を既往調査個所を補完する位置でボーリング調査及び資料採取を行い調査する。第二粘性土が欠如する区間では薬液注入工法などにより遮水層造成する。

②揚水量の多い箇所を中心に地中連続壁の漏水個所を特定し、薬液注入工法により遮断する。


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