(補足)表層はN値5くらいの泥岩、その下はN値50の泥岩があり、安定勾配、盛土途中に湧水が発生している。
①段階掘削時のすべり安定性の検討;切土施工時に地山の安定性を考え、逆巻工法による各段掘削が想定される。計画安全率を保てない場合は掘削高さを小さくし地山の補強として鉄筋挿入工、グランドアンカー工で対応する。必要となる物性値は、地山の単位体積重量γ、地山の粘着力c、内部摩擦角φ、標準貫入試験によるN値がもとでの地山の周辺摩擦力である。試験・調査方法はボーリングによるサンプリングを行い、三軸圧縮試験や一面せん断試験を行いc、φを算定する。γは室内での密度試験を行う
②切土の全体安定検討;第一層目の地山の物性値(特に粘着力)を計算上現状斜面が滑らないと仮定して計画安全率を1.0として逆計算する。試験・調査で算定した値を使うと解析上の矛盾が生じるため以上のことを行う。逆算で求めた定数を用い対策工を行った最終の計画形状において計画安全率が1.2以上であるか否かの照査を行う。必要な定数、試験、調査方法は①と同様である。
②切土による地山の強度低下;新第三紀の新しい泥岩では、切土により風化促進され、岩盤の強度が著しく低下するものが存在する。特に乾湿の繰り返しに弱い。これにより岩盤にヘアクラックが発生し、その中に地下水が侵入することで一段と強度低下が顕著に表れる。
この時に必要な物性値はスレーキング性や乾湿を繰り返した岩のせん断抵抗角や粘着力である。調査及び試験方法は、浸水崩壊度試験、乾湿繰り返し吸水率試験、乾燥状態から飽和された岩の三軸圧縮試験を実施する。
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