今回の杭打設の課題は、杭の支持層がN50の砂礫地盤であること、また杭頭に水平荷重が加わる可能性があることである。よって砂礫層の屈掘進が可能で、なおかつ比較的水平荷重に対して杭力をもつ全周囲ケーシング工法を提案する。
本工法を採用するに当たり、砂礫層の礫径を評価し、礫径に合わせたケーシング径を採用する必要がある。また、先端刃先が破損した場合は掘進不可能になり、ケーシングをすべて引き抜く必要があるため刃先の破損に留意する必要がある。
杭打設後シルト層よりネガティブフリクションが生じ、杭先端に荷重が加わる可能性があるため、本荷重を考慮した杭の設計を行う必要がある。
また、盛土による側方流動が生じるか検討する必要がある。なお、側方流動が生じる可能性がある場合には盛土予定地地盤の地盤強度を高める必要がある。Ⅰ値判定により、Ⅰ<1.2で側方移動なしを検討する。(地層構成が複雑であったり、大きく傾斜している地盤に対しては円弧すべり安定検討で安全率Fs≧1.5の場合側方流動が生じないとされている)ここで固化材改良により地盤強度を高める場合、事前に改良範囲内から現地土砂を採取し配合一軸圧縮試験を行い、必要となる固化材種、添加量を決定する必要がある。また、事前に六価クロム溶出試験を実施し、環境基準値を満足することを確認する。
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