☆粘土層16mN値1、砂層12mN値50以上に15m掘削後BOX設置(水位地上+1m)

1)考えられる土留め工法を3種類挙げ、それぞれの特徴を説明せよ

①鋼矢良板土留め工法;掘削深さ25m程度まで可能性があるため、妥当である。施工性の良い点がメリットで

 壁の剛性が低いために切梁の段数が多くなる点がデメリットである。

 打設工法には振動工法や圧入工法がある。値入先端付近では、被圧が帯水層に近いため鋼矢板の圧入が最も適している。

②RC地下連続壁工法;安定液で孔壁を保持して掘削し、鉄筋かごを挿入後水中コンクリートを打設して安定液と

 置き換えることでRC壁を構築する。一掘削延長(エレメント)毎に接続部の止水性と剛性を確保するために慎重な

 施工管理が必要である。本条件では掘削深さが浅い為に不経済になる可能性がある。

③柱列式連続壁工法;一般的にSMW工法に代表される3軸オーガーでソイルセメントを撹拌し、地中に連続壁を

 構築する。芯材には一般的にⅠ型鋼が使用され、鉛直方向の剛性を受け持つ。3軸単位で施工するので本条件の

 ように掘削深さが深いと鉛直制度が劣り、漏水の危険性が増す。

2)掘削時に、掘削床付け面付近で発生する可能性が最も高い掘削破壊現象を2つ挙げ、その理由を述べよ

①ヒービング現象;粘性土16mまでの層はヒービング現象の危険性がある。掘削側の土砂荷重と土留め背面の

 土砂荷重のバランスが崩れると、最下段の支保工周りにすべり破壊が発生する可能性がある。破壊したすべり面

 に沿って土砂が回り込み、掘削底面が盛り上がる。それとともに掘削背面の沈下が生じる

②盤ぶくれ現象;16m以深の砂層は、被圧地下水に満たされていることがわかる。掘削側の土の自重と地下水

 の圧力のバランスが崩れると5m程度の粘性土を盛り上がる。場合によってはクラックが生じ砂が噴出する。

3)上記2)で挙げた破壊現象を回避するための対策を複数上げ説明せよ

①ヒービング回避方法;土留め壁の値入長を安全率1.2以上とし、剛性を増す。下部の砂層まで貫通させることも検討する

・盤ぶくれ回避方法;被圧帯水層である砂層を貫通して値入する

・地下水位低下工法であるディープウェル工法を用いて被圧地下水圧を低下させる

・掘削側の被圧帯水層である砂層を改良して不透水層を厚くし、土の自重を増加させて被圧地下水に対抗する

 この場合、未改良部の発生に注意する。

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