詳細設計では、基礎の水平方向及び鉛直方向の支持特性に対する検討と、地震時における地盤の液状化判定を行う必要があることから、これらの検討に必要なデータの取得を目的とした調査・試験を行う。
水平方向及び鉛直方向の支持特性の検討を行うためには、地盤反力係数とその上限値の設定を行う必要がある。地盤反力係数は水平方向、鉛直方向ともに地盤の変形係数を用いて設定されるが、今回の場合には対象が砂質土であり、コアサンプリングが難しいことから、原位置試験である孔内水平載荷試験を各土層に対して行う。
孔内水平載荷試験は、ボーリングの孔壁に荷重を載荷して、荷重と変位との関係から地盤の変形係数を算定するものである。地盤反力の上限値は、鉛直方向は許容支持力であり、水平方向は受働土圧であるが、これらは内部摩擦角φと単位体積重量γから設定が可能であり、φはN値から推定する。γは物理試験により設定する
地震時の液状化判定には細粒分含有率Fcが必要であるため、粒度試験を各層に対して行い、Fcが15%以下の場合には液状化に対する検討を行う。
施工計画の立案にあたっては、水深に関する調査を行う。具体的には、1日の水深の変動と年間の水深の変動を調べる。この水深は、くい打ち計画とフーチング施工時の締め切り計画の検討に必要になる。今回の施工においては、杭基礎あるいは鋼管矢板の打設は水上打設が適当であるが、そのためには杭うち用の船が杭を打設する時間内に十分な喫水が必要である。河口に近い場所では、潮位変動の影響を受ける場合もあり、使用する船の大きさや施工サイクルが影響を受けることから調査が必要な項目である。
また、今回はフーチングが河床以深に設けられていることから、締め切りを行ってドライ施工を行う必要がある。この時の締め切り工は水位が最も高くなった時に厳しくなることから、水位の変動状況を把握しておく必要がある。
鋼管杭あるいは鋼管矢板打設の可否についてはN値から判断すると打設可能と考えられるが-8ⅿの砂礫層についてはその粒径についても調査を行う。
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