17.Ⅰ.2.10.1 現橋に併設して新橋計画。8ⅿ砂礫N3、2ⅿ砂質N30、5ⅿ砂質N15、以下支持層。新橋基礎構造を2つ選定し、選定理由と施工上の留意点

①基礎形式;鋼管矢板井筒基礎基礎

選定理由;基礎形式は支持層と施工時の近接構造物への影響を考慮して選定した。現橋の支持層は8ⅿの砂質土層であるが、その層厚は2ⅿと基礎の幅と比べると薄層の為、支持力は10ⅿ以深のN15砂質土層の影響が支配的である。

新設橋の橋脚基礎に作用する荷重が現橋と同等であれば、同じ深度までの基礎で十分と考えられるが、新設橋はスパンが現橋の倍であることから、要求される支持力も倍程度と考えられる。

また、新設橋の完成後に旧橋は撤去される計画であり、撤去時において、新橋の基礎下端部付近まで地盤が乱される為、新設橋の支持力は現橋撤去時においても許容値を満足する必要があることから、支持層はN値50以上の砂礫層とすることが望ましい。

新設橋施工時の現橋への影響としては、現橋の荷重状態変化することが挙げられる。具体的には新設橋施工時に、築堤の為の盛土や基礎を構築するための掘削が必要な工法の場合には、現橋基礎に偏土圧が発生し、現橋基礎を不安定化させることになるため、盛土や掘削を伴わない工法を選択する必要がある。

以上より、支持層が15ⅿ下であることから、基礎形式としては杭基礎、ケーソン基礎、鋼管矢板井筒基礎、地中連続壁基礎が考えられるが、ケーソン基礎と地中連続壁基礎は築堤や掘削が必要であり、現橋の荷重状態に変化を与えて不安定になる可能性があることから、省いた。

施工上の留意点;杭基礎の場合にはスパン長が長いことからも鋼管杭が適当と考えられ、また施工方法は鋼管矢板井筒基礎、杭基礎ともに打ち込み工法が妥当であるが、中間のN値30の砂質土層があり、打ち抜けなくなる可能性がある。そこでウォータージェットのような補助工法の併用と杭先端に補強を行って、杭体に損傷を与えることなく打ち抜く対策を盛り込む必要がある。


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