対象型土留めの場合、左右からの土圧は釣り合うため、切梁反力が左右で同一となる。したがって、山留計算は片側の断面計算を行う。
しかし、高低差がある場合は、左右の土圧が釣り合わないため土圧が大きい方かた小さい側へ押され、側方流動が生じる可能性がある点に留意する必要がある。
従って、偏土圧が大きいと考えられる山留は左右の土圧状態と照査して、荷重が大きい方の壁背面委載荷される主働土圧が、荷重が小さい方の壁背面が受ける受働土圧より小さいことを確認するほか、土留めを含む全体安定の検討を円弧すべり計算によって確認する必要がある。
更に偏土圧が作用する土留めの計算には、梁ばねモデルによる両測土留め壁の一体解析や有限要素法、対面壁の影響を考慮した弾塑性法による解析等が用いられるが、確立されたものではないので、それぞれの山留壁の特徴や現場の状況を十分考慮して設計法を選択する必要がある。
<手順>
①外的安定を満足しているか;円弧すべり計算法
②左右の土圧状態の照査
③偏土圧が作用する土留めの計算
・梁ばねモデルによる両側土留め壁の一体解析
・有限要素法を用いた解析
・対面壁の影響を考慮した山留の弾塑性法による検討
・上載荷重のみ考慮した山留の弾塑性法による検討
④土留め壁の検討
⑤支保工の検討
0コメント